官僚によるマインドコントロール()捕鯨問題-10’

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262名無しさん@3周年
」欄に捕鯨派・反捕鯨派の主張がそれぞれ掲載された。前者は日本鯨類研究所理事長・長崎福三(6月3日付け)、後者は環境科学文化研究所長・藤原英司(6月12日付け)である。藤原の主張については、彼の資質との関連もあり別に取り上げたいと思うので、こ
こでは触れない。要は反捕鯨派がかなり紙面に登場するようになったという事実が分かればよい。またこの93年にはノルウェーが捕鯨モラトリアムを破棄し、商業捕鯨を再開した。これには独自の法的根拠があって日本も同じ行動をとるわけには行かなかったが、
IWCの調整機能が破綻に瀕していることが改めて明らかになった。翌94年1月25日、「イルカ・クジラと共存を考えよう」という記事が朝日の家庭欄に載った。これは「第4回国際イルカ・クジラ会議」が4月に江ノ島で開かれることを伝えたものだが、主催の「
アイサーチ・ジャパン」の岩谷孝子代表が「イルカやクジラは、独特の方法で人間の知らない過去の事実や知識を蓄積しているはず」と述べている、とも書かれている。繰り返し述べてきたように、リリーを嚆矢とするこの種のトンデモ話はすでに時代遅れになっ
ているにもかかわらず、それを堂々と載せてしまう朝日新聞の知性は救いがたい。オウム真理教教祖の言葉を批判的視点抜きで載せるも同然なのだが、朝日記者の不勉強ぶりは目を覆うばかりだ。またこの記事にはリリーやスポングが会議に参加するとも書かれ
てあり、前年「ひと」欄に登場したスポングという人物の正体がここからも分かる。なおリリーは4月9日付の「気になるこの人」というコラムでも取り上げられていて、朝日内部に彼のトンデモ話を信じ込んでいた記者がいたことはほぼ間違いない。「良心的」
「進歩的」な人間が意外に神秘主義に弱い、という現象をどう見るべきか。熊本日々新聞編集委員・春木進は、宇井純(東大助手時代に良心的知識人のお手本とされ、その後沖縄大学教授に転じた)がカルト集団ヤマギシ会を支持したことについて、「宇井氏の
ヤマギシ観にも、コミューンへの抜きがたい共鳴や支持の心理があるように感じられる。そして革新的な団体は人権を侵害するような行為はしないという、幻想に近い確信も――」と述べている(『カルトの正体』、宝島社、00年)。反捕鯨団体は一種のカルト