官僚によるマインドコントロール()捕鯨問題-10’

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261名無しさん@3周年
ージを作り上げた方が利益につながる、この頃から財界はそう判断するようになった。そのため財界トップの人間をWWFJに送りこみ、企業からの募金をしやすくしたのだ。こうした利益がらみの方向転換が羽倉の言説には見え隠れしている。私は羽倉を見てい
ると、「死の商人」という言葉を思い出す。武器を売ることによってではなく、文化差別を売ることによってひたすら利益を追求する、倫理性とは無縁の存在をそう呼びたいと思う。或いは、評論家で慶大助教授の福田和也が「僕の観察だと、政治家、知識人、財
界人、官僚で、一番ひどいのは財界人。財界人の頭はひどい。クルクルパーしかいない」と述べたこと(『愛と幻想の日本主義』、春秋社、99年)も首肯できそうな気がしてくる。実際、朝日の「ひと」欄に載った羽倉の写真は、戦後日本で最も甘やかされてきた
銀行という業界で頂点を極めた人間にふさわしく、品のない笑いを浮かべている。日本の企業が寄付したカネによって欧米の環境運動家が日本を叩く、そんな倒錯した図式ができあがったのはこの頃からである。その点で、羽倉のような節操のない財界人には重大
な責任がある。私が羽倉の立場にいたら、どうするだろうか。まず、WWFのような文化差別を内包した環境保護団体には名を貸さないしカネも出さない。そもそも欧米の団体は彼らの論理で動いているので、それに乗っかるという形では日本の独自性は出てくる
はずもないのだ。私なら、そうした認識をもとに、自前の環境保護団体を作るだろう。そして自らの判断基準に従って、必要なところにはカネも人も惜しまずに援助するが、反捕鯨運動をやっている差別意識丸出しの環境団体にはいっさい援助はしないだろう。欧
米の文物を猿マネすればステイタスが上がる、という浅薄な態度の問題性を、羽倉はまるで意識していないようである。財界人の知性が問われる場面と言えよう。ちなみにこの年の秋、10月3日・4日には「ひと」欄に神谷敏郎とライアル・ワトソンが、翌年4月8日
には海洋動物写真家のタルボットが登場した。彼らは直接捕鯨問題との絡みで取り上げられたのではないが、実質的な反捕鯨派の彼らが続けてこの欄に出てくるのは、朝日記者の人脈がかなり片寄りつつあった証拠であろう。さらに、IWC総会の終了後、「論壇