292 :
N ◆5UMm.mhSro :
2009/01/06(火) 00:21:13 ID:zo/+BLU8 >>288 梅崎義人のような人がいまだに通用してしまうというのは、日本のメディア状況が
かなり酷いことになっているという指標ですね。
ノルウェーの研究所でしごとをしているオーストラリア人、ピーター・コークロンは、
ノルウェーやアイスランドにも情報歪曲はあると指摘してるけれど、梅崎陰謀論ほど
念の入った策略にまではいってないようですね。
使ってる税金や裏金の規模が違うって?
変なとこで威張っても、日本経済パープリン化現象を食い止めることはできないだろうなあw
293 :
N ◆5UMm.mhSro :2009/01/06(火) 00:24:35 ID:zo/+BLU8
>>287 から続く
http://www.wdcs-de.org/docs/Iceland_Corkeron_Report.pdf Iceland, whaling and ecosystem-based fishery management.「アイスランド、捕鯨と生態系ベースの水産管理」
Peter Corkeron Ph.D.(
ttp://aleakage.blogspot.com/ )25頁
これはノルウェーの話である。同じような構造問題がアイスランドの海洋調査簿コミュニティーに
存在しているのだろうか( GADGETとシナリオ Cのコンセプト上の類似以上にという意味である)。
第8条捕鯨の問題はとりあえず無視するとして(これは科学の遂行プロセスでの濫用という主張が
おそらく可能なのだが)、最近の海洋研究所上級スタッフの発言や、アイスランド水産省の発言は
似たような問題がここにも残っているということを示している。
[Discussions of whale surveys in Iceland]
[アイスランドでの鯨類調査に関する議論]
アイスランドの捕鯨再開決定についての水産省の声明(2006年10月20日)は以下の叙述がある。
「漁業及び捕鯨の捕獲割当は_科学者たちの勧告に基づいており_この科学者たちは定期的に
ストック(資源/系群)の状態をモニターしている。従って漁労活動が持続的であるということが
保障されている」(_強調_は引用者)。
この表明に含意されていることは次の仮説である。(a)科学者は質的に適切な情報を提供する、
(b)科学者は特定の世界観(この場合「クジラは魚を喰いすぎる」という見方)に沿った結果を
出すようにという政治的な圧力の下にいない、である。
別の言い方をすると、科学者は相対的に自由であり、あからさまな政治的干渉無しに調査が
できるということになる。
最近の目視調査に関する二つの発表で、データがどう政治的に取り扱われるかということが
わかりやすく示されている。
一方にはNAMMCOウェブサイトのニュースがある。7月22日で、アイスランド海域の航空調査をした
メンバーの発言が引用されている。サイトから直接引用すると、「しかしミンククジラの目視数は以前の
年より少なかった。カマイルカの数も少ないようだった。北西部で相当数のザトウクジラを目視したが、
アイスランド東沖合で2001年に見られた高密度分布は確認できなかった。」
294 :
N ◆5UMm.mhSro :2009/01/06(火) 00:26:27 ID:zo/+BLU8
(26頁) この目視調査メンバーの発言の前には前書きがあって(これはおそらくNAMMCO事務局の誰かによる ものだが)次のような部分がある:「以下にダニエル・パイクのログを調査結果のレポートとして 掲載する。これはあきらかにうまくいった調査だったが、_相対的生息数に関するすべてのコメントは 暫定的なものであり、_TNASS調査の全領域からのすべてのデータが出そろい、照合されるまでは 解釈を行うことはできないということが強調されねばならない。_」(_強調_引用者) これは完全に合理的である。調査で集められた生データから、分析の前に過剰なものを出してくるのは 不適切である。 しかし次の日、7月23日にIcelandReview.comは以下のように報道している。 「アイスランド海洋調査研究所は今週、ナガスクジラの計測を終えた。...これはいままでで最も 広範囲な鯨類ストックの計測であり、特にナガスクジラ系群の大きさをつきとめることに重点がおかれた。 _鯨類の専門家G?sli A. V?kingssonによると、この資源(ストック)はナガスクジラが数えられ始めて以来 最大のものであるようだ_。」(_強調_引用者) このコメントには、誰も暫定的結果から深すぎる解釈はすべきではないという前書きの限定を付けていない。 そのかわりにアイスランド水産相、グドフィンソンのこの結果についての発言が引用されている。 「これは捕鯨国民としての我々の主張を支持している。鯨ストックはとても大きく、サイズは増え続けており、 これは他の海洋生物種にネガティブな影響を及ぼしている。この結果は疑いも無く_捕鯨の生物学的先要条件 が存在している_ということを示している。」(_強調_引用者) ナガスクジラの計数は伸びた、だからデモンストレイトする。アイスランド海洋調査研究所(MRI)にとっては 「ナガスクジラの記録的な数」なのであり、したがって水産大臣は「疑いも無く」...「捕鯨の生物学的 前提条件」と言えるのである。 しかしミンククジラとカマイルカの数は落ちている。したがってそれに対するコメントは、NAMMCOに とって「暫定的であり、解釈することはできない」のである。 NAMMCOのアプローチは正しいのであり、MRIのはそうではない。
295 :
N ◆5UMm.mhSro :2009/01/06(火) 00:27:30 ID:zo/+BLU8
(27頁) MRIのスタッフはミンククジラの計数が落ちたことは発表せず、ナガスクジラの計数が上がったことを 発表するという選択をした。このことが提示するのは、同じ生データのセットが二つの別のやり方で 使われ、一つのケースでは明らかに政治的目的で使われたということである。 [Future options] [将来の選択肢] アイスランドの水産業は第一に輸出産業である。「責任ある水産業にかんする声明」が2007年8月7日、 アイスランド水産相と海洋調査研究所、アイスランド水産局、アイスランド漁業組合それぞれの代表者たち の間で調印された。 この声明は「魚類資源(ストック)の状態と責任ある漁業に関心を持つすべての人々に宛てられたものであり、 _特にアイスランドの水産製品を買い、消費する膨大な関係者たちに_対するものである(_強調_引用者)」 となっている。 声明が挙げているいくつかのアプローチは生態系ベースの水産管理(EBFM)が規範項目としているもの である。 海洋環境に対する漁具の影響を評価し、悪影響を低減すること;利用しうる最良の科学的アドバイスに基づく 捕獲枠設定;混獲の低下;(規格外漁、外道等の)廃棄量規制の厳格化;効果的な水揚げ高規制と実行、 がこれにあたる。 目を引くのが、それが不在ということによってだが、水揚げ高の改善を期待して海洋哺乳類個体数を 減らすということに言及が無い点だ。 アイスランドの水産政官経エスタブリッシュメントはこの声明と、難しい決定の断行、すなわち最近の 大西洋タラ捕獲枠削減については賞賛に値する。
296 :
N ◆5UMm.mhSro :2009/01/06(火) 00:28:14 ID:zo/+BLU8
(28頁) 鯨の間引きというのは不必要だし生態系アプローチとは正反対のものである。 海洋哺乳類の間引きが漁業生産高を引き上げるという証拠は無い。 入手しうる最善の証拠が示唆しているのは、海洋哺乳類の商用魚に対する捕食量は漁業と比べるなら トリビアルな水準だということだ。 間引きを呼びかけている人々は、水産の「生態系アプローチ」の内容というのが、生態系を健全な状態に 戻してやるということとりも、海洋生態系のいくつかの生物種を鋳掛け屋のやるように手直ししてやる ということを含意していると信じているようだ。 「アイスランドの責任ある水産業にかんする声明」が提示しているのは、アイスランド水産業界の 人々が、アイスランド水産製品輸入国の消費者感情の重要性を理解しているということだ。 海洋哺乳類の間引きは表面的には水産業を補助するように見えるが、消費者から好感を持って 受け入れられるかというとこれはありそうもないことだ。 アイスランドはその水産業を持続可能なもの(もっと言えば再建可能なもの)にするということに 着実に歩を進め、環境破壊を最小限に抑えることによって、海洋漁業が国の富と、人間の食糧安全保障 に寄与するという方向でのチャンスを握っている。 アイスランドは生態系アプローチの水産管理への適用が、エコロジカルにも、ソシアルにも有利に 機能しうるということを欧州の他の部分へ示すことができる。 [Acknowledgements] [謝辞] Philippa Brakes, Jack Chalfin, Arthur Clarke, Kate O'Connell, Mark Simmonds およびSofie Van Parijs が このレポート草稿を査読してくれたことに感謝する。 Kate O'Connell にはアイスランド語翻訳に感謝する。
297 :
N ◆5UMm.mhSro :2009/01/06(火) 00:30:14 ID:zo/+BLU8
[References]
[文献]
(略)あと、英文本文中に埋め込まれた各ウェブサイト・リンクがあって、和訳では適切に示してないので、
興味のある方は原文確認してください。ページ数もところどころずれてたり略したりしてます。
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訳注)シュヴェーダー(Schweder)はノルウェーの永年のIWC科学委員
G?sli A. V?kingssonはアイスランドIWC主席科学委員、IWC総会アイスランド政府委員(正式にはコミッショナーアドバイザー)
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以上
http://www.wdcs-de.org/docs/Iceland_Corkeron_Report.pdf Iceland, whaling and ecosystem-based fishery management.「アイスランド、捕鯨と生態系ベースの水産管理」
Peter Corkeron Ph.D.(
ttp://aleakage.blogspot.com/ )
の全訳おわり。