官僚によるマインドコントロール()捕鯨問題-9

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246N ◆5UMm.mhSro
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2006年にアイスランドは1989年以来はじめての商業的な捕鯨を再開した。ナガスクジラ
(Balaenoptera physalus)商業捕鯨枠9頭に対して7頭が実際に捕殺された。
2007/2008漁期についてはもっと多数の捕鯨枠が考慮されている。

アイスランドで商業捕鯨が再開されたのは、これとは別の捕鯨プログラム、国際捕鯨
取締条約第8条に基づく捕鯨の後である(これを私は8条捕鯨と呼ぶが、通常は
「科学的捕鯨」と呼ばれている)。この8条捕鯨は2003年に制度化され、北のミンク
クジラ(B. acutorostrata)を捕獲している。このプログラムは今年(2007年)終了し、
捕殺総数は200頭であった。ミンククジラの商業捕鯨は2006/2007年にはじまり、
捕獲枠は30頭だった。

アイスランドのミンククジラ捕鯨とナガスクジラ捕鯨には技術的に重要な違いがある。
ミンククジラは小さな船で捕殺することができる。年間の一時期だけ捕鯨砲(ハプーン砲)
を装着する漁船でよいのである。ナガスクジラはこのような小型船で猟るには大きすぎる。

2006年アイスランドのナガスクジラ漁には、何年ものあいだレイキャビク港の風物と
なっていた古い捕鯨船のうちの一隻が使われた。

しかしこれらの捕鯨キャッチャーボートを、一年のほとんど漁獲のために出漁できるよう
にと改造することは不可能であるようだ。現役として残るためには捕鯨をしなければ
ならないのである。別の言い方をすると、これらの大型のクジラを2006/2007年
ナガスクジラ捕獲枠9頭よりも、基本的に多く採れるようにする必要があるのだ。

アイスランドの捕鯨者たちは昔も今も、大型ヒゲクジラ類の大規模商業捕鯨再開に
きわどく依存しているように見える。

アイスランドではナガスクジラ肉の需要に限界がある(アイスランドの人口は30万に
すぎないのだから)。そこで日本へ鯨肉を売るという動機が生まれる。しかしこの
文章を書いている現在(2007年10月初旬)、鯨肉販売の交渉は決着を見ておらず、
肉はアイスランドの倉庫に保存されている。
247N ◆5UMm.mhSro :2009/01/04(日) 08:52:16 ID:AgkYjtIr
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2007年8月24日、アイスランドの農水相は2007/2008年漁期(9月1日にスタート)
にナガスクジラの新たな捕鯨枠は発行しないと発表した。現在の鯨肉在庫が売り捌け
ていないからというのである。市場の見えざる手がアイスランドのハプーンを
永久的に引退させたのかどうかは定かではない。他の要因の役割、たとえば国際
世論、国内の異論などについてもはっきりしない。
現在のところの見解表明では、近い将来に契約が成立すれば捕鯨枠設定に余地を残し、
2007/2008年にはミンククジラについて商業捕鯨枠が発行されるだろうと見られる。

しかしアイスランドの水産業界からは、市場の動向とは無関係に捕鯨を求める声が
上がっている。クジラは間引く必要があるという声である。このような主張は海洋
哺乳類を猟っている国々から、近年日増しに、より一般的に聴こえてくるようになった。

このような主張は評価に値するのであろうか?この稿では「生態系ベースの水産管理」
の名の下に行われる鯨類の間引きという、捕鯨国の人々の主張を一般的に批判し、
アイスランドについて特に焦点を当てる。この主張をアイスランドでの別の動向、
生態系アプローチを漁業管理に利用するという試みと対比することによってである。
248N ◆5UMm.mhSro :2009/01/04(日) 08:54:25 ID:AgkYjtIr
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[Culling whales as fishery management.]
[水産管理としてのクジラの間引き]
アイスランドは2006年に国際捕鯨委員会(IWC)でサンキッツ&ネヴィス宣言を主唱した
国々のひとつである。この宣言のほとんどはIWC内部の問題に関する主唱国の受け止め方
を表現したものであるが、以下の言明も含んでいる:

「科学的調査が示した所によると、鯨類が大量の魚を消費していることが、沿岸国の食糧
安全保障にとって問題となっているという課題を受け止め、エコシステム管理ということが
国際標準になっている現在、鯨類ストック(資源/個体群)の管理という課題が、生態系管理
というより広い文脈で考察されねばならないということを受け入れ...」

海洋哺乳類の捕獲を行っている国々(およびその支持者たち)は次のように主張している。
(a)海洋哺乳類の個体数は商用魚の豊度に負の影響を与えている。
(b)海洋哺乳類の間引きは明白に漁業に有利に働き、「生態系ベースの水産管理(EBFM)」
の一部を形成する。

これをもっともどぎつく主張しているのは日本であり、ノルウェーは2004年以来間引きを
海洋哺乳類政策上の国策の一部と認めている。

さらに日本は、国連食糧農業機構(FAO)を通じてカリブ海地域での「調査」プログラムに
資金を供与している。これは「小アンティユにおける海洋哺乳類その他の最上位補食者を
含む生態系ベースの管理のための科学的基盤」と名付けられている。

アイスランドの報道のわずかな例からも、この見方、急増する鯨類個体数が「我々の」
魚を喰いすぎているという考え方が水産業界のメンバーや政治家に支持されているという
ことが見て取れる。
249N ◆5UMm.mhSro :2009/01/04(日) 08:55:09 ID:AgkYjtIr
● 2007年7月2日、アイスランド漁船船主連合(LIU)は、最近のアイスランドでの
タイセイヨウダラ漁獲枠削減と捕鯨の継続のみならず増大に関する声明を発表した。
声明によると、「鯨類の大幅な増加はカラフトシシャモとタラの資源量に影響を与え..
.鯨類は100万から200万トンのカラフトシシャモを消費し、甚大な量のタラも
捕食している。」

● 2007年7月3日、ミンク鯨漁協会 (Felag hrefnuveidarmanna)はウェブサイトに、
「ミンクはタラ、スケトウで腹一杯」という表題の記事を掲載した。

● 2007年7月10日、Stod 2/ Visirのテレビインタビューでアイスランド水産相エイナール・
K.グドフィンソンは、新漁獲枠設定に際して捕鯨枠は与えないとした。インタビューは
アイスランド漁船船主連合(LIU)発言に触れて、彼らがクジラが魚を全部食べてしまう
という事実基づき、販売量とは無関係に捕鯨枠を増大すべきという主張をとりあげた。
グドフィソンはアイスランドの捕鯨は鯨肉が売れるかどうかによって決めると発言
していたにもかかわらず、この利害関心に同意を示した。