241 :
N ◆5UMm.mhSro :
>>239 >雇用確保のためなら無駄な公共事業も良しとしていいのか。
>難しい問題ですね。
難しいというか、政権党になったら個別のクライアントの要求を全部代表してるわけには
いかないんで、海員、航空乗務員からコンピュータプログラマー、銀行員に至るまで、
国際競争にもろにさらされる職種に対して、ナショナリズムに頼った保護主義じゃあ
意味が無いんだということをはっきりさせなきゃいけないですね。
農業政策に関しては幸いEU型の直接所得補償、生産物に対する補助金は排除というのが民主党の
基本理解だから、水産でも勝川さんが言ってるみたいな、「補助金は資源を枯渇させるだけだ」
という骨格はわりとすんなり理解されるんじゃないかな?(ダニエル・ポウリーも反補助金ですね)
水産に関しては社民も共産も国民新党も含めて、勉強が全然足りないと感じましたね。
石油が一時的に上がって漁民に石油代金補助しろという大合唱になった時。
休漁にして資源保養しながら休業補償出せと言ってたのは勝川さんだけだったような...
242 :
N ◆5UMm.mhSro :2009/01/04(日) 08:42:15 ID:AgkYjtIr
>>240 筒井さん説得するのは非常に難しいと思うけれど、北海道日本海岸を選挙区に持つ小平さんなら、
テンプレに挙げてあるコークロンの議論でなんとかご理解いただけるのじゃないかと思います。
オーストラリアの大学で哺乳類学、生態学を学んだ人で、アボリジニーのジュゴン狩りを本気で
持続可能な生態系ベースの管理にしようと考えたて、この分野で進んでいると考えられていた
ノルウェーまで勉強に行ったという本格派ですね。
ノルウェーの現実を見ていったん挫折したけれど、再奮起して制度上やらざるをえないアザラシの
致死調査をやりながら問題点を指摘して、道は遠いけれど生態系管理の枠組みを明確にしようと
頑張ってる本格派ですね。
そのへんの「ナンチャッテ持続的利用派」とは理論的スケールが全然違います。
243 :
N ◆5UMm.mhSro :2009/01/04(日) 08:47:14 ID:AgkYjtIr
http://www.wdcs-de.org/docs/Iceland_Corkeron_Report.pdf Iceland, whaling and ecosystem-based fishery management.
Peter Corkeron Ph.D.
http://aleakage.blogspot.com/ 1
Introduction
アイスランド人たちは海に頼っているし、いつもそうだった。彼らにとって漁獲はいつも
重要で、漁業を持続的に保つことについて、かれらは優れた経歴を示している。
アイスランドの水産相は2006年10月17日の声明で次のように述べている。
「アイスランド経済は全世紀を通じて海洋生物資源の利用に圧倒的に依存している。
したがってアイスランド人の長期的な幸福にとって、この持続的な利用が中心的な
重要性を持っている。こういう理由で、アイスランドは漁業の効果的な管理と、海洋
生態系(エコシステム)のすべての構成要素の科学的研究に重きを置いている。
世界中で多くの魚類系統群が減少し、枯渇さえしている現在、アイスランドの海洋
資源は一般的にいって健全である。それはこの重点政策によるものである。
漁業と捕鯨の年間捕獲枠は科学者たちの勧告によっており、彼らは恒常的に
系群の状態を監視している。それで生業の持続性が確保されるのである。」
漁業はアイスランドの商品サービス輸出額の約40%を占め、商品輸出だけに限ると
大雑把に言って3分の2になる。漁業および水産加工は国内総生産(GDP)の10%を
わずかに下回る水準で、これは1980年の15%強から低下してきた水準である。
2007年に30万人の人口を数えるアイスランドは、世界で178番目の国民規模だが、
2002年には世界で13番目の水産輸出大国だった。アイスランド経済は強く
水産分門に依存している(”圧倒的に依存”はやや大げさな表現だが)。
244 :
N ◆5UMm.mhSro :2009/01/04(日) 08:49:36 ID:AgkYjtIr
2頁
他の多くの国々、特に欧州連合の水産管理の貧しい成果に比べて、アイスランドの
漁業管理は悪くない。最近のICES(海洋探査国際評議会?)のアドバイスでは、
アイスランドの2系群(タイセイヨウタラとモンツキダラ)が歴史的に最高水準の漁獲高に
対する漁獲死亡率の査定で「過剰漁獲」と格付けされた。4系群が「不定」である。
この査定の直後、アイスランドのタイセイヨウダラ漁獲割り当ては相当に削減された。
これはすばらしい業績というふうには見えないが、北海の8系群「過剰漁獲」、5系群
「不定」あるいは「未知」に比べればたいしたものである。
アイスランド漁業は過剰漁獲ではなく環境問題に直面している。
デンマーク海峡(西グリーンランドとアイスランドの間)の海中が変動しているのであり、
ここ数年、温暖で塩分濃度の高い大西洋の水が以前よりはるかに北方へ動いて
いるのである。これがアイスランドの水域に生息するシシャモ(Mallotus villosus)個体群
に影響を与えているようである。
アイスランドの科学者たちにとって、シシャモの位置を特定し、生息数を推定することが困難に
なっている。そのため、アイスランドの科学者たちが出す漁獲量割り当てのアドバイスに影響が
及び、ここ数年のアイスランドのシシャモ水揚げ高の減少となっている。
英国の海洋保全協会はアイスランドのタイセイヨウタラ(Gadus morhua)漁獲割り当て
削減を賞賛し、英国消費者の持続的シーフードへの要求がこの削減の動機となったと
言及している。タラ割り当ての削減は持続可能性への良いステップだが、アイスランドの
タラ個体群サイズ(正式にはその繁殖ストック生物量ポイント推定という)が、50年前の
3分の1に過ぎないということも、思い起こしておく価値があるだろう。(see Figure 2.4.2.1 in the linked pdf)
改善の余地はあるものの、アイスランド人たちは、漁業管理に関して、国民としてヨーロッパ人
の中ではぬきんでた聡明な態度を示していると指摘しておくのが公平だろう。
しかし、上記の水産相の発言は、アイスランドの商業捕鯨再開の声明の一部として
おこなわれたものである。