官僚によるマインドコントロール()捕鯨問題-9

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175名無しさん@3周年
2006月8月、銀色の糸を織り交ぜたサテン・シーツのように海が光り輝くある日の朝、ニューイングランド水族館の調査担当部長スコット・クラウス、
同水族館の獣医で主任研究員のロザリンド・ローランドとともに、私はファンディ湾上にいた。思いがけず、2人の調査活動に同行することになったのだ。
きらきらと光を放つ遠方の波間から浮上してきたクジラに目を止めたクラウスは、現場の風下の方へと船を向ける。航路を記録するためのデータ・シート
を私に手渡し、わずかに風が吹く中をジグザグに進んでいく。同時に、ローランドが船首に移動した。その傍らには世界初となるクジラの排泄物探知犬、
ファーゴが控えている。鼻孔を膨らませながら、ファーゴが右舷から左舷に移動し始めた。ファーゴは1海里(約1.8キロ)先のにおいを感じることができるのだ。
ローランドがこのロットワイラー犬のしっぽに目を向ける。しっぽが振られれば、セミクジラの糞のにおいを嗅ぎつけたというサインだ。
体をぴくっと震わせ、ファーゴがしっぽを振った。「右に進路変更!」。ローランドがクラウスに呼びかける。「もう少し右へ。いや、行き過ぎだ。
少し左へ……。オーケー。それでいい」。海草の塊ばかりが目に付いた15分間が経過したところで突然ファーゴが座り込み、ローランドの方に向き直って
視線を合わせた。クラウスが船を止めると、消化されたクジラのエサの塊、すなわち糞が小刻みに揺れながら流れてくるのが見えた。海面に出ているのは
もうほんの一部であり、あと数分で完全に沈むか溶けさってしてしまいそうだ。
クラウスは小さな網を手に取ると、かぐわしい香りを放つその物体をすくい取った。それはまるで、珍しい魚を捕まえようとしている光景に見えた。
「私のこの姿を見ると、はじめはみんな怪訝な顔をする。そして次に、何かの冗談だと思う。だけどこれは、最先端の科学的調査の一環なんだ」と、
30年にわたりタイセイヨウセミクジラの研究を牽引してきたクラウスは言う。
http://www.nationalgeographic.co.jp/materials/article/2008_10_right-whales_chadwick-text.html?article_no=5
176名無しさん@3周年:2008/12/28(日) 08:25:06 ID:U4Am2SRf
最新のテクノロジーでは、クジラの糞に含まれる腸細胞のDNAから、その糞を排泄した個体を特定することができる。またホルモンの残留物からは、
クジラの体調や繁殖能力の状態(成熟しているか、妊娠しているか、乳を分泌しているか)、ストレスの度合い、寄生虫に感染しているどうかなどが分かるのだという。
http://www.nationalgeographic.co.jp/materials/article/2008_10_right-whales_chadwick-text.html?article_no=6
177名無しさん@3周年:2008/12/28(日) 08:28:32 ID:U4Am2SRf
オーストラリア海洋哺乳類応用科学センターのグレン・ダンシェアが関心を抱いていたのは、テロメア、つまり染色体の末端部にあり、
動物の生涯を通じて徐々に短くなっていくDNA配列だ。100年生きることができるセミクジラ(近縁種のホッキョククジラは200年も生きることがある)の
テロメアを調べることで、老化のプロセスにおいてテロメアが果たす役割を解明できる可能性があるという。
http://www.nationalgeographic.co.jp/materials/article/2008_10_right-whales_chadwick-text.html?article_no=7