「Annex Fで持ち上がった問題」というのは原住民生存捕鯨の対象、ホッキョククジラ
が何百年も前に起った氷の状態変化、海峡の閉鎖で系統群が変わったのではないか
という問題ね。
これを確かめるために、古い工芸品に使われていた鯨の骨や髭からもDNAを抽出する
というのがベーカー&パルンビの当時最先端だった「ポリメラーゼ連鎖反応」分析ね。
別名「ホテルの一室...卓上型PCR装置...他人の台所作戦」とも言うw
この会議で、日本側としてはほんとうは存在を否定したいミンククジラの”W”系群(小笠原、
ウェーク島、ハワイ方面ー>カムチャッカ半島の系統群)が日本+南ア共同論文ではっきり
出ちゃったから機嫌がわるいのだけれど、そのうえDNAで系統群分析するなら古いサン
プルで十分、新しく捕ってくる必要ない、とかベイカーに言われて怒り心頭に発してる
だろうというのは想像に難くない。
(なんで”W”系統群がいやなのかというと、日本海側の”J”系群、太平洋側の”O”系群だけ
でも、混合があるからよっぽど注意深く捕鯨しても面倒なことになるという状態なのに、
さらに太平洋沖合に別の系群”W”がいるとなると、ベテランの捕鯨船キャプテンでも
やる気なくすという「現代特有の問題」ね。 昔はそんなこと気にする必要は無かった。
そういや最近、ウルサイ規則や規制にブチ切れて、ノルウェーの有名船長Olav Olavsen
が違反捕鯨やって4万クロナーの罰金取られ、引退を決意したそうだね
http://www2.wdcs.org/blog/index.php?/archives/111-Call-him-Ishmael.html)