>>271の続き
ここで、労働組合と社会党がまたとんでもない主張をした。
破産した炭鉱会社の炭鉱労働者の退職金を国が払うべきだというものであった。
また、無茶苦茶な話であるが、なんとこれが通ってしまったのである。
当時の炭鉱労働組合は社会党系でも最有力の組合であり、国会議員も抱えていた。
恐ろしい話であるが、夕張市は破産した炭鉱会社が所有していた社員住宅や病院を、
資金を退職金に当てるという約束で高値で買い取ったのである。
実はこれが、夕張市の破綻の第1歩であった。
老朽化した施設を高値で買い取りそれの維持コストまで支払うことになったのである。
夕張市はその後も「国の金」に頼って市の維持を図った。
実を言うと夕張地区の賃金は高い。現在はそうでもないが、昔はすごかった。
これは、高額な炭鉱労働者に引きずられたためである。
従って、市職員の給与も高額だった。
炭鉱が無くなって、市の財政が悪化しても、市職員の給料は下がらなかった。
もっと問題だったのは炭鉱夫の再就職である。
彼らは高額の賃金に慣れていた。更に炭鉱夫としての知識と技能しかなかった。
夕張市は、市自ら無理な観光事業を展開し、元炭鉱マンが納得するような給料を出していたという。
破綻したのは当然の結果である。