>>588 (以下抜粋)
2.キューバ有機農業と行政面では中央省庁をリストラし徹底的な地方分権化、経済面では実績成果に基づいてボーナスを支払う競争原理を部分的に導入
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同時に、キューバは行政面では中央省庁をリストラし徹底的な地方分権化を進めると同時に、経済面では実績成果に基づいてボーナスを支払う競争原理を部分的に導入している。
大規模農場においては、農業者は農作業を部分的に請け負う作業員にすぎなかったから、作物を育てる喜びもわかず、生産効率が低下していた。
シエゴ・デ・アビラ州のある国営農場の場長は、当時をふり返ってこう説明する。
「私どもはコストを全く気にかけませんでした。
どんな値段になろうが、かまわず生産したのです。
タンクが満杯になるともっと入るようにバルブを開け、ミルクを地上に流してタンクを空にし、またミルクを入れたのですが、それでも、その全部に対して支払いがなされました」。
生産物を排棄するという、ばかばかしい経営が可能であったのは、ソ連からの潤沢な補助金があったからだった。
いくら生産が低下しようが、赤字経営に陥ろうが、その損失はすべて国からの補助金によって補填されていたのである。