ほい
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/070704/plc0707040805000-n1.htm 【やばいぞ日本】序章 没落が始まった(2)「鈍さが工作員を取り逃がした」2007.7.4 08:05
■国民の安全守れぬ国家
(つづき)
国会で辛光洙事件への警察当局の対応を問題にしたのは、それから10年近くたった97年5月の衆院外務委員会での安倍晋三氏の質問だった。
「韓国の裁判の記録に厳然たる事実があるのに、私は日本の警察はどうしているんだ、強い憤りと疑問を感じる」「辛への取り調べを行いたいという意思を伝えてもらいたい」。
警察庁の米村敏朗外事課長は答弁で、公開捜査などの問題があり、日本国内関係者への強制捜査の実施には至っていないと説明した。
結局、公安当局はその後、韓国側に辛への事情聴取を求めたが、今度は韓国側が受け入れようとしなかった。
総連本部へメスが初めて入ったのは01年11月、小泉政権下であった。旧竹下派が影響力をもっていた政権では手を付けることはできなかった。
11月15日には横田めぐみさんが新潟市から拉致されて30年を迎える。
「辛さえ北朝鮮にとり逃すようなことさえなかったら、拉致事件はもっと解決に進んでいたはずです」
横田さん夫妻が吐露する怒りと無念さだ。
主権が侵害され、国民の平和と安全が蹂躙(じゅうりん)されたという重大な事実を知っていながら、官僚と政治家はなぜ、動こうとしなかったのか。
日本人が拉致されたという現実を信じられなかったと弁明する人もいる。
国民を守るという国家の最大の責務が顧みられなかったことに日本の国としての弱点が表れている。
(高木桂一)