■「官から民」は詐欺と紙一重だ
米国経済を揺さぶった「エンロン倒産事件」とそっくりの市場主義経済下のデタラメが一周遅れで日本で繰り広げられている。
エンロンは電気料金が自由化されたのをいいことに不正値上げでぼろ儲けをしようとした。
不正を内部告発した元副社長は「革新と詐欺は紙一重」と言い切った。
小泉ー竹中コンビが進めてきたのは、この「詐欺」と紙一重の「改革」だ。
とりわけ“米国かぶれ”の竹中大臣は、とうにこの不正なプロセスを知りながら、
小泉首相とともに「改革」と称して利潤取得を奨励し、
ホリエモンや偽装マンションの犯罪を生み出すのに手を貸してきた。
金融庁に経営責任を追及されている三井住友銀行の前頭取が郵政民営会社の社長に収まったのも問題ではないのか。(中略)
フランスのドキュメンタリー番組「エンロン倒産事件〜7兆円企業の犯罪に迫る」が、事件の全容を詳しく描いていた。
エンロンは電気料金が自由化されたのをいいことに、不正な値上げで利益を出そうとした。
ターゲットにされたのはカリフォルニア州で、エンロンは2年間にわたって意図的に供給量を減らし、
停電などを頻発させて電気料金をつり上げたのだ。
番組では、幹部らが会議で、「これで100万ドルの儲けだ」「まるで詐欺師ね」
などと談笑する肉声が流された。
また、トレーダーと組んで株価をつり上げたり、ペーパーカンパニーを2800もつくって損失の付け替えも行っていたという。
会社の不正を内部告発した元副社長のシェロン・ワトキンス氏は番組の中で「改革と詐欺は紙一重」と言っていた。
これが「改革」とか称されるものの正体なのだろうか。
ところが、小泉―竹中コンビが進めているのは、「詐欺と紙一重」と指摘された「改革」だ。
昔から日本は米国の一周遅れを走っているといわれてきたが、これは今も同じのようで、
日本でもエンロンそっくりの巨額粉飾事件が起きた。ライブドア事件である。
経営者は時代の寵児ともてはやされた勝ち組だ。
東京のど真ん中にオフィスを抱え、家賃220万円の最新式マンションに居を構えてグルメ三昧。
そんなバブリーな生活も、不正経理による株価つり上げがあればこそだったというから呆れてしまう。(後略)
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