北朝鮮、韓国若者をネット扇動 「掲示板は武器と同じ」【ソウル26日=黒田勝弘】
2003/02/27 (産経新聞朝刊)
韓国軍の合同参謀本部によると、北朝鮮は最近、インターネットを使って韓国の若者に対する謀略的
な宣伝工作を展開している。北朝鮮の韓国向け宣伝放送の「韓国民族民主戦線(民民戦)放送」は先ごろ
「インターネットは国家保安法が無力となった特別空間」とか「インターネット掲示板は抗日遊撃隊が
手にした銃と同じ武器だ」といった内容の“指示”でネット作戦を強調しているという。
具体的な宣伝内容は、在韓米軍撤退や米軍基地問題など反米的なものが中心で、そのほか韓国での徴
兵制反対やイラク戦争反対、民族主義、反戦平和運動の扇動になっており、韓国内のインターネット・
サイトにひんぱんに登場しているという。韓国は「インターネット先進国」といわれるほどインターネッ
トが普及し、その中心は若者。盧武鉉新政権の誕生に際しても、こうしたインターネット世代の動きが
大きな影響を与えたといわれている。
北朝鮮は日本をはじめ西側各国に独自のサイトを開設し宣伝工作を進めているが、韓国社会がネット
全盛時代なのに着目し、若い世代に狙いをつけて効果的な工作に乗り出したものとみられる。