郵政民営化を議論しよう(その11)

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663a
山崎養世氏の意見が素晴らしい・・・
って言いまくってる人が居るから、改めて真剣に彼の意見を聞いてみた。

演説技術の観点から見れば彼は素晴らしいね。
聞きやすい発音でゆっくりと、且つ間髪入れずに論を述べる。解りやすい。

彼の意見を聞いたり読んだりしてみると確かに内容的に「ドキッ」とする部分がある。
そしてある種の気持ちよさがあるのだ。
彼の言っている「財政の問題点」については殆んど異論はない。

しかし「問題の解決方法」に疑問が残る。
この時点で基礎知識が無い人は、山崎養世氏が詳しく正確に現状を説明してくれるので、
その対策案も万全であると勘違いしてしまうだろう。彼の言葉の気持ちよさに流されてはいけない。
彼の論の矛盾に気が付くには、たぶん彼レベルに現状を理解している人じゃないと無理だろう。
(つづく)
664名無しさん@3周年:2005/08/12(金) 08:23:41 ID:KM6r3p0q
○田村参考人

それから第二番目の金融弱者というのは、たとえ郵便局、金融機関があっても、
これから民営化された場合には非常に過当競争になりますから、当然に小口預金者には
今まで以上に不利な条件でしかこれが利用できないということになります。既にイギリスでは
全世帯の二〇%が預金口座さえ開かせてもらえていない、あるいはアメリカでは
低所得者の三八%が口座さえ開かせてもらえていない、こういう調査もございます。

郵政民営化特別委員会 6月7日
665a:2005/08/12(金) 08:23:53 ID:DpG0sqYQ BE:35931593-##
(つづき)
主に彼が言っている論はこれだ。
 1、財投問題の原因は財務省の怠慢が原因であり郵政や郵貯利用者を罰するのは間違っている。
 2、過疎地の郵政ネットワークを保護しなくてはいけない。
 3、郵政新会社が財務省管轄になってしまう。
 4、公的金融機関を無くす事は将来あるかもしれない大恐慌に備える術を無くすことである。
 5、郵政公社は公的金融機関として民間への融資枠を増やしていくべきである。国債融資を完全に消す必要は無い。

彼の論に出て来るまず一言目が 1 だろう。
これはある種の勘違いだ。彼は郵政民営化は郵政やその利用者に罰を与えていると説明しているがそれが間違いだ。
何も罰になっていない。確かにシステムが変わることでストレスの掛かり方が変わってくる大変さはある。

利用者への罰と感じる部分に 2 があるのだろう。
しかしこれも固定概念の産物だ。
そもそも、過疎地のネットワークの殆んどは簡易郵便局である。
そして、その運営はとても効率的であり、リストラの対象になるものではない。
リストラされるとしたら、無駄の塊である特定郵便局だろう。

4分社化した場合、過疎地のネットワークは窓口業務会社が殆んどを受け持つこととなるだろう。
それは簡易郵便局の窓口を受け継ぐということである。
窓口業務会社は、個々の窓口毎に採算を求めるのではなく、全体的な採算で営業するよう義務化される。
窓口会社は他の3社からの窓口業務の委託で利益を生む。現状で郵政全体では採算が取れているので、
窓口会社が赤字に転落する流れは、無いはずである。
ネットワークへの無理なリストラはないと予想できる。 無駄(特定郵便局の窓口)をリストラすることは当然あるけどね。
(つづく)
666a:2005/08/12(金) 08:24:14 ID:DpG0sqYQ BE:47908894-##

(つづき)
問題とされるもう1つのネットワーク、集配業務である郵便業務だ。最も業務的に危機感が語られる業務だ。
ヤマト運輸が主張しているように、彼等は独占的業務を行なっている。
にもかかわらず業績が悪いのは、特権と引き換えに規制も多いからだ。
郵便は新たな郵便商品を開発できない現状が問題である。グローバル業務にも手が出せないのだ。
一方、民間運輸は世界に手を伸ばしている。しかし規模が足りない。小さい。ここに郵便の生き残る道がある。民業圧迫せずにね。

問題外なのは 3 と 4 だ。
現状で、郵政は融資を財務省に握られている。
それが「監視」だけに留まる可能性を秘めた民営化だ。(一気にはむりなんだけどね。混乱するから。)
大恐慌に備えるっていうのも問題外。
いつ来る川から無い恐慌に備えるよりも、現状を打開する急務が日本にはあるはずだ。

最後の 5 だが、「郵政公社として」という話以外は賛成だ。
ていうか、これを理由に郵政民営化反対する理由がわからない。民営化して実行すればいい。
667a:2005/08/12(金) 08:29:22 ID:DpG0sqYQ BE:18631272-##
山崎養世氏はたぶん自分で判っていると思う。
彼の言葉を少し言い換えると賛成派の意見となるのである。
最後の言葉尻を変えるだけで民営化賛成となる意見を彼は持っている。

反対の為の意見を構成しているだけで、
全くの同じ知識と理解で賛成派の意見を作ることができる。

なぜ彼はそんな事をしているのだろう・・・。
裏を感じてしまう。