■憲法違反が次々強制されているこの国の行く道
(前略)小泉政権が続いてきた中で、言論の自由を制限する国民投票法、
思想及び良心の自由を縛る教育基本法改悪などが推し進められてきた。
また、日の丸掲揚や君が代斉唱も強制されるようになった。
自衛隊のイラク派遣も含めて平和憲法を踏みにじるような小泉政権や自治体の不法が、
この国に倫理や良心のない世相を招き寄せている。
このままこうした状況を見過ごしていたら、戦前に逆戻り……ということにもなりかねない。(中略)
憲法をないがしろにする動きや、憲法違反の法律や規則が次々に強行されている。
その代表が、先週末に閣議決定され、連休明けにも審議入りする「教育基本法」改悪だ。
九大名誉教授の斎藤文男氏(憲法)がこう言う。
「政府案には『伝統と文化を尊重し、我が国と郷土を愛する』との文章が盛り込まれています。
なぜ今、子供たちに愛国心を強制する必要があるのか、国家が個人の心に立ち入っていいのか。
これは、憲法19条の『思想及び良心の自由』に反する恐れがある。
それ以上に問題なのは、現行法が禁じている『教育への不当な介入』を認めていることです。
戦前の反省から、教育を国家権力の圧力から守ってきたのに、その精神を踏みにじっています」(略)
▼ 憲法で守られた国民の権利を次々に剥奪 ▼
小泉政権は、思想や言論の自由という憲法の根幹を揺るがす法案も次々に提出、成立させている。
先月末、与党が強引に審議入りした「共謀罪」、言論の自由を制限する「国民投票法案」、
さらに昨年施行された「個人情報保護法」――と、矢継ぎ早だ。
共謀罪について前出の斎藤文男氏がこう言う。
「近代国家では、実際に犯罪行為を行って初めて処罰されるのが大原則です。
考えたり、話しただけでは罪には問われない。ところが、共謀罪は話し合っただけで罪になる。
刑法のシステムを無視した法案です。しかも、適用される法律は600以上。
酒を飲みながらの冗談話でも、警察が目をつければ簡単に逮捕することができる。恐ろしいシロモノです」
「個人情報保護法」は、一言で言えば、政治家や役人のスキャンダルをマスコミに報じさせないための法律である。…
作家の城山三郎氏が「週刊朝日」(3月17日号)でこう言っている。(後略)
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