■後は野となれ山となれ政治で激変したこの国の世相
小泉内閣発足から5年が経ち、各メディアは「改革の光と影」を特集していたが、
「光」などあったのか? この間にすさまじい勢いで世相はすさんできている。
竹中、小泉コンビが理念も哲学もなく、「稼ぐが勝ち」とばかりに市場主義を煽ったせいだ。
企業のモラルハザードが進み、庶民はリストラの犠牲になっているが、
その一方で、竹中と二人三脚だった中央青山監査法人の理事長が辞任に追い込まれ、
竹中に買われて日本郵政の社長になった西川善文前三井住友頭取は、
金融商品の押しつけ販売の責任を問われている。
改革がいかにデタラメだったかの証だ。
あらゆる改革が見せかけで、立て直すのは大変な状況になりつつある。(中略)
日本郵政は正式発足前からコケるんじゃないか。
郵貯銀行、窓口会社など傘下の会社トップが決まらないうえに、
持ち株会社の初代社長、西川善文氏は国会で袋叩きにあっている。
三井住友銀が融資先の中小企業に金融派生商品を押しつけ、これが独禁法違反に問われた件だ。
西川氏は当時の頭取、しかも収益力アップのために行員に過酷なノルマを課した責任者だ。
西川氏は退職金を返すようだが、もうマトモな金融マンは近づかないだろう。
市場を知らない役人集団に350兆円を超える資金なんか動かせない。
日本郵政の末路が見えるようだが、最近は似たような企業不祥事が目に付く。
暴力団、後藤組とツルんで、ワンマン社長らが逮捕された「菱和ライフクリエイト」は論外として、
金融庁から業務停止2カ月の処分を食らった中央青山監査法人は、
ちょっと前まで奥山章雄理事長が金融庁の顧問を務め、竹中と一緒になって、
エラソーに銀行の不良債権処理に指図をしていた。
そんなのがカネボウの粉飾に加担し、金融庁が手のひら返しで厳重処分を下すと、
慌てて、奥山理事長も辞めるという。マンガじゃないか。
竹中の仲間といえば、堀江も捕まり、規制緩和に端を発する耐震偽装問題では、
ヒューザーの小嶋進社長以外は一網打尽になった。
すごい勢いで世相はすさんできている。(後略)
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