【日本共産党】
1. 賛成です。アスベストは粉じんの中でも発がん性が明らかであり、全面禁止は世界の趨勢です。
しかし、日本では、現在も十万トン程度が輸入され、世界有数の消費国となっています。
代替品の開発を急ぐとともに、製造、輸入、流通など全面禁止すべきです。とりわけ使用が認められているクリソタイルについても、発がん性が明らかで、EU をはじめ使用を禁止しており、日本もそうすべきです。
2. 日本は被害の実態把握が極めて不十分であり遅れています。
1980 年代から大問題になったにもかかわらず、政府がアスベスト関連死である「中皮腫」の死亡者の統計をとりはじめたのは1995 年からです。
石綿肺、石綿肺に合併する肺がん、中皮腫、良性胸膜疾患など、アスベストによる疾患やその合併症について、早急に実態を把握するとともに科学的な予想をたてることが必要です。
同時に、曝露から発症までが数十年といわれており、継続的に健康モニタリング、医学上の対策の強化、被害者を法的にどう救済するのかなど行政が責任をもってすすめるべきだと考えます。
3. 日本では、1960 年からアスベストの輸入が急増し、建築材料をはじめ約三千種類の用途に使われてきました。
アスベストはきわめて危険な物質であり、過去にどのように使用されたのか、いまどうなっているのかを把握し、計画的かつ安全に除去していくことはまったなしの課題です。
学校などの公共施設での除去は行われていますが、まったく不十分で、民間施設をふくめて徹底した現状把握と安全な除去が求められています。
4. 規制のための現行諸規定を拡充・強化することは必要です。
さらに、労働者のいのちと健康を守ることはもとより、まわりの住民の安全対策上も、環境を守るという点からも、震災など災害時のアスベストの安全な除去もふくめ、新たに実効ある法律による規制も検討すべきだと考えます。
5. 現状の正確な把握と対策を講じる上でも、共通する部分の対象範囲の統一化や関連省庁や関係機関が横断的に調査・監督することが必要だと考えます。
阪神大震災のときには、関係省庁連絡会議がもたれて対応した例もあり、従来の対応のままですませるのではなく、効果的な対応がもてるように体制を強化すべきです。
6. 国民に対する正確な情報を公開するとともに、危険なアスベストを防止するための国民的合意を一段とはかっていく必要があると考えます。