【世界を牛耳る】　☆　フリーメーソンを語る　☆

�@P2事件
P2とはメーソンのロッジプロパガンダビューの一般向け略称である。
P2ロッジはメーソンの秘密グループだったが、正規の手続きを踏んだ
わけではないし、全員が出席する集会など一度も開かれたことがなか
った。この集団を組織するために選ばれた男が、イタリア人のリチオ
・ジェッリである。１９６９年には、P2はロッジ、ジェッリはそのマ
スターと呼ばれるようになった。政府や官庁への甚大な影響力を持っ
ていると人に思い込ませる才能にかけては、ジェッリには天才的なも
のがあり、このマスターの庇護がなければ昇進もありえないと信じ込
んでP2に入会する者もかなりの数に上った。

�Aこの永久運動のようなプロセスによって、ジェッリは架空の権力を現実の
ものにしたのである。ジェッリの無慈悲な脅迫によって、やむなくP2に入会
した者もいる。P2ロッジの同士に対してジェッリが要求した「メーソンの責
務」は、金銭的なものばかりではない。彼が要求し、実際に手に入れたもの
とは「秘密｣だった。職務上の秘密は権力を拡大する武器になり、私生活の
秘密は、相手を脅迫し、強制的にP2に入会させるための手段として駆使され
た。

�B後に、スパイ行為と国家の治安を危険にさらした罪で逮捕状が発行される
のだが、その時すでにジェッリは別荘から逃げ出しており、残されたP2のメ
ンバーのリストには千人近いイタリアの最有力者の名前が記されていた。検
察官の一人は、後にこのように報告している。｢P2ロッジは、イタリアの立
憲政体を破壊する目的で、実業界と政界を結び付けた秘密の党派である。｣

�Cリチオ・ジェッリ。冷酷なファシスト、パルチザンの弾圧者、ペロンの友
人でありアドバイザー、そしてイタリア保守派を巻き込んだ大スキャンダル
の黒幕である彼は、ソ連国家保安委員会すなわちKGBのエージェントだったの
である。

�D彼の触手は共産党を除いてすべての政党に伸びている。当時のイタリア人はどこ
に入ってもソ連の下僕になったということである。