民主・佐藤観議員が辞職願提出
民主党の佐藤観樹衆院議員(62)=比例東海ブロック=は4日午前、公設秘書給与をめぐる名義
借り疑惑の責任を取り、河野洋平衆院議長に議員辞職願を提出した。本人が議長室を訪ね、直接手
渡した。佐藤氏の辞職は5日午後の衆院本会議で許可される見通し。民主党は早期の事態収拾を図
ったとしているものの、古賀潤一郎衆院議員(除名処分)の学歴問題に続く不祥事で手痛いイメージダ
ウンとなった。
佐藤氏は3日に離党届を提出しており、同党は4日中にも臨時常任幹事会を開き、取り扱いを協議
する。党としてけじめをつけるため、受理せず除籍(除名)処分にすべきだとの声が強いが、野田佳彦
国対委員長は4日午前の記者会見で「本人から事情聴取している幹部から報告を受け判断すべきで
何とも言えない」と述べるにとどまった。
佐藤氏については、平成12年6月から15年4月まで公設第二秘書として採用していた女性(51)に
勤務実態がほとんどなく、国から支払われた秘書給与も本人に渡っていないとの疑惑が今月1日に表
面化。その後、佐藤氏が女性あての給与を現金で受け取り、公設第一秘書を務める自分の妻(51)
の銀行口座に入金していたとの新たな疑惑も浮上している。愛知県警が詐欺容疑事件として捜査して
おり、佐藤氏本人に対する強制捜査も取りざたされている。
佐藤氏は4日早朝、地元事務所に電話で「心配かけて申し訳なかったが、辞めることにする」と伝えた。
佐藤氏は昭和44年に旧社会党から初当選、当選11回。社会党副委員長、社民党幹事長などを歴任、
平成8年に民主党入りした。細川内閣で自治相兼国家公安委員長、民主党では13年9月から両院議員
総会長を務めていた。
http://www.sankei.co.jp/news/040304/sei030.htm