世界を支配するNGOネットワーク
200以上の欧米の市民団体(NGO)が1994年、IMF・世銀の50周年総会の会場周辺に集まり、
統一反対運動を起こし、最後は一部の活動家が会議場になだれ込むという事態にまで発展した。
国際機関に対して、欧米を中心とする世界のNGOが集団的に働きかけたり、
襲撃型の反対運動を展開したりして、自分たちの統一要求を認めさせるという手法は、
冷戦終結とともに始まった。
こうしたNGO集団の動きには、大企業も政府も対抗し切れない。というのは、誰が運動を
企画し、煽っているのか突き止めにくいし、運動の中心点がいくつも存在しているため、
対策を打つことが難しいからだ。結局、NGOの主張を受け入れるしかない。
NGOは「一般市民」と称することが許される人々の集まりなので、人々を煽っておいて、
後でよくない結果になっても責任を追及されないという、いびつさがある。
最近、こうした奔流に飲まれたのが、WTO(世界貿易機関)だ。先日アメリカのシアトルで
開かれたWTO閣僚会議は、NGO集団の反対運動が一因で、成果を挙げられず失敗した。
彼らをつないだのは、インターネットなどによる情報交換で、究極の目標が全く異なる
NGOどうしを、「シアトル会議に反対する」という一点でつないでいった。
http://tanakanews.com/991213WTO2.htm