「爆弾発言」は、11日に行われた日本記者クラブ主催の総裁選候補討論会でも波紋を広げた。
亀井氏は「知事は文学者。具体的に爆弾を仕掛けるのはいいと思っているはずがない」と擁護
したが、他の3候補からは「言ってはいけないこと」(高村正彦元外相)、「大変不注意な誤解
を招く」(藤井孝男元運輸相)、「極めて不適切だ」(小泉純一郎首相)と批判が相次いだ。
外務省側は当初、「暴力が許されるとの趣旨とは考えたくない」(茂木敏充外務副大臣)と表明。
知事側の対応を見守る考えを示していた。
ところが、慎太郎知事は11日夕、東京・池袋で街頭演説に立ち、再び“火に油”を注いだ。
「仕掛けることがいいとは誰も思っていない。国民の怒りが固まってああいう形になったことは
否めないと思う。私はあの男が殺されて当たり前だと言っているわけじゃない。外務省がやった
ことを見れば、どこの国の外交官か、ということを誰でも考える」
この発言で外務省側は逆ギレ。11日夜、一連の発言について「不当であり、厳重に抗議する」
との川口順子外相コメントを発表した。
慎太郎知事も11日夜、外務省に「僕に言わせれば売国的な外交をやっている。国益を考えながら
反省すべきだと思う」とさらに反攻に出た。
慎太郎発言に対し、拉致被害者家族会の反応はさまざまである。
横田めぐみさんの父、滋さん(70)は「真意は分かるが、世間の立ち話ならともかく、地位の
ある人の発言としては適当ではない。取り消したほうがいい」と話す。
有元恵子さんの母、嘉代子さん(76)は「石原さんらしいし、石原さんやないといえない。
私たちは嫌な気持ちはしません。田中さん、野中(広務・元自民党幹事長)さんは自分の胸に手を
あて、発言が『もってのほか』なのか、『致し方ない』のか反省してほしいですね」と述べた。
ZAKZAK 2003/09/12
http://www.zakzak.co.jp/society/top/top0912_1_01.html