ジャーナリスト花田紀凱氏(「編集会議」編集長)が、夕刊フジの連載コラムで
「『同盟』の意味も解らぬトンチン菅(かん)」とあきれている。あきれられている
のは民主党代表の菅直人氏だった。まったくこの政治家の国際感覚には、首
をひねらずにはいられない。
▼いや、国際感覚などと大げさにいわなくていい、普通の社会常識といいか
えてもよろしい。それがまるでないのである。たとえば「イラク戦争 日本の立
場は」と題された毎日新聞の特集に、「対米追従を抜け出せ」という一文を寄
せている。
▼この「追従」とは、日本の米国支持を批判する人たちがワンパターンで使う
一つ覚えの表現だが、今はその紋切り言葉に触れている余裕がない。ではそ
の「追従」から抜け出すにはどうすればいいか、どんな道があるのか。菅氏は
対策を一切示さない。
▼「米国を支持しなければ北朝鮮が暴発した時に支援を得られない、という
のはおかしい」と書いている。なぜおかしいのか。「日米安保は日米が共同で
日本の防衛責任を負うとしており、イラク問題の有無にかかわらず、米国には
日本防衛の義務がある」というのである。
▼相手が困っている時は知らん顔で、手前が具合悪くなった時だけ助けてく
れと言ったって…と花田氏はあきれるのである。こんな手前勝手な理屈が国
際的に、いやごく普通の一般常識としても通用するものかどうか。中学生でも
わかり切ったことだろう。
▼プラカードを振り回したり、街頭をデモったりする市民運動家のリーダーな
らばまだ許せる。だがこれは政権交代をうんぬんする第二党党首の言説なの
だ。かかる政治家にかけがえのない母国の命運を託すことなどできようか。民
主党支持率が7%に落ちこむはずである。
http://www.sankei.co.jp/news/030327/morning/column.htm