13 :
亀井先生の主張:
我が国は今、1400兆円の金融資産と4千億ドルの外貨を保有し
世界有数の国力を持ちながら、経済はデフレスパイラルに落
ち込んでいる。それにもかかわらず、国民は「痛みを分かち合
え」と言われ、どんな明日の為かも分からないのに拍手喝采
を送っている。
現在の政策には、世界同時不況の中で日本が米国と共に世界
経済に責任を果たしていくと言う視点が全く欠落している。
また、財政支出の量的削減という五年前に明確に失敗した手
法に固執し、財政健全化は分母と分子の相対関係であること
を無視している。分母である赤字が不景気によって増え続け
る一方で、分母の国民所得が急激に減少している。この状況
で財政支出を削減することは、まさに財政再建に逆行してい
るのである。
当面は財政赤字が若干増えたとしても、遅すぎた感はあるが、
昨年四月に決定した緊急経済対策を実行する必要がある。具
体的には、羽田空港の再拡張工事や下水道、高規格道路とい
う社会資本整備、つまり都市、地方を活性化しなければニュー
ビジネスは生まれてこない。そのためには、官が前に出て民
需を引っ張り出し、経済を躍進させる以外に無い。また、「構
造改革」と称して、弱い木を間伐して強い木だけで元気な森
を、といっている。
しかし、森全体を枯らしてしまう枯れ葉作戦では、外資以外
の強い木は残り得ない。民間では従業員や下請けの切捨てが、
リストラともてはやされ安易に実行されている。日本の場合、
企業はまず従業員、取引先、下請けなどに利益を配分して企業
体としての健全性とエネルギーを維持しながら、株主への責
任を果たしてきた。米国流は株主への責任第一で、従業員は二
の次である。米国流への極端な転換が、日本経済に活力をもた
らすと私にはどうしても思えない。
14 :
亀井先生の主張:02/06/14 19:30
十数年前に我々は、これまで培ってきた文化、伝統、生活様式
の下で米国をしのぐ経済活動を展開した。その歴史的事実を
どう説明するのか。世界の経済システムが、180度変わった
わけではない。グローバリーゼーションが必要だというが、同
一化はあり得ない。国債金融、企業活動の全てが、国家の利益
を前提にした協調で成り立っていることは、米国の経済外交
を見れば明らかであろう。官民とも迷路に入り込んでいるの
は、我々が伝統的価値観を喪失したためである。競争するだけ
ではなく、助け合い、ともに幸せになろうとする伝統的価値観
を何故捨てなければいけないのか。
世界的規模での市場原理至上主義の下で、地縁血縁社会とロー
カル文化が排除され、ひたすら効率と利潤だけを追求する潮流
が21世紀を支配した場合、世界はどうなるのだろう、独善的な
大国や富裕層は、とめどもなく続く自然環境破壊で生存基盤を
喪失するとともに、テロや犯罪、病理など様々な逆襲にさらさ
れることになるであろう。小泉総理よ、はっきり言おう。あなた
がやろうとしていることは間違っている。抵抗勢力と言われよ
うとも私は構わない、むしろ本望である。中小、零細企業の経営
者を中心に、毎日100人近い人達が自ら命を絶っている現実を
直視しなさい。
社会的弱者を切り捨て、日本をむちゃくちゃにしようとしてい
る勢力に抵抗することこそが私の役目である。たとえあなたが
解散をちらつかせようとも私は怯まない。不安にたじろぐ人々
を救うことが政治家の使命なのだ。