http://members.aol.com/Tetsu220/301.html 93年3月、金丸は脱税容疑で逮捕される。ドンの秘密の部屋の金庫からは、約100キロの金塊や
無記名金融債28億円などが発見された。87年から89年の3年間だけで、約18億5000万円の
所得をごまかし、約10億4000万円を脱税した。金丸だけでなく、元第一秘書も、87年から
91年の5年間で、約6億5000万円の所得をごまかし、約3億3000万円を脱税したとして逮捕される。
93年7月22日、金丸の初公判が開かれた。「建設業者などからもらった裏のお金を裏で運用して、
私の資産として持っていた。(使い道は)具体的に定まった目的はなく、人間ですから、
欲も手伝ってどれだけでも増やしておこうと思った」。このような金丸調書のくだりもあったが、
改めて、金丸自身は、政界再編のための政治資金として蓄えてきたなどと主張した。
96年3月30日、山梨の自宅で行われた金丸の葬儀では、「内政、外交や政党政治に対する
多大な貢献は、誠に偉大」などという衆議院弔詞が土井たか子衆院議長によって読み上げられ、
防衛庁長官経験者葬儀の慣例として、自衛隊音楽隊が別れの演奏をしたという。経団連の
豊田章一郎会長も、「謹んでごめい福をお祈りいたします。金丸さんは政府、自民党の首脳として
社会資本の整備や首都機能の移転問題など、日本の発展に尽力されました。心より哀悼の意を
表明いたします」という談話を発表した。
いくら死者に鞭打たずとはいえ、持ち上げすぎだ。甲府税務署の公示によると、金丸の遺産は、
不動産約5億円、株約27億円、現金約14億円などで合計約52億円と巨額にのぼった。
個人的には巨額な遺産を残した金丸だが、国家的には首都移転という、とんでもない置き土産を残していった。