■ 土建屋行政花盛り!石原都政 ■

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415名無しさん@1周年
「石原新党」のアキレス腱

■真っ黒な「秋葉原再開発」疑惑

これまで絵空事でしかなかった「石原新党」が急に現実味を帯びたのは、
先立つカネの噂が出回ったせいだ。
「新党結成に必要なカネの工面がついたようだ。
しかも中曽根さんと縁が深いゼネコンの鹿島が石原のスポンサーだ」
(江藤・亀井派議員)とまことしやかに伝わったものだから、永田町は色めき立った。
しかも、この噂には、政界が耳をそば立てる裏情報がまとわりついていた。
 石原と鹿島を結ぶ「黒い線」は千代田区・秋葉原の再開発案件である。
この再開発計画は、都神田市場の移転跡地や旧秋葉原貨物駅跡地を利用して
IT産業の一大集積地を作ろうというもので、二十三区内に残された
最大の再開発事業として脚光を浴びてきた。
その中核施設として、都は一万六千平方メートルの都有地を払い下げ、
二棟のITセンタービルを建設する事業者を、昨年十二月にいきなり募集した。
この都有地を四○五億円で買ったのが鹿島を中核とするグループだった。
 ところが、募集のプロセスがあまりに不透明で、
都庁内からさえ「鹿島との出来レースじゃないの」という声が消えない。
コンペの説明会には十三社(グループ)が出席したものの、
正式に応募したのは鹿島グループのみ。
都議会自民党までが問題視し、有力都議らが
「競争のないコンペじゃ疑われても仕方がない。
今回は不調にして、改めて公募しなおすべきだ」と担当局に申し入れたが、
知事サイドが強引に推し進め、無競争のまま鹿島グループへの払い下げを決めてしまった。
416名無しさん@1周年:02/07/14 01:14
「キックバック」の怪情報

 特に問題になったのは、公募期間が二カ月弱と異常に短く、
「都からの事前情報がなければとても間に合わない」(説明会に参加した建設業者)
という不満が噴出したこと。
先の定例都議会でも質問が相次ぎ、大きな問題となった。
とにかく都議会、都庁関係者が「何とも妙だ」「真っ黒だ」と口を揃えるのが、
鹿島への払い下げ問題だ。
 しかも、その払い下げ価格は、鹿島が札入れをした後に、
都の財産価格審議会を開き、最低価格を決めるという信じ難い逆コースだった。
「最低価格は、当然、入札前に決めるもので、
業者の札入れの後に審議会が開かれるなんて聞いたことがない。
鹿島の入札価格を見て、都が最低価格を決めたと疑われても仕方ない」と都幹部はこぼす。
 おまけに審議会が決めた最低価格の約二二九億円は、
周辺の取引事例より著しく低かった。
都はITセンタービルに五百台分の駐車場を付設する条件を付けたことなどを
「値引き」の理由に挙げているが、都が故意に最低価格を引き下げ、
鹿島の買い取り価格を高く見せた疑いさえ持たれている。
 実は、この再開発エリアで、都有地以外の土地を最初に買収したのは鹿島だった。
ITセンター予定地のすぐ北側の鉄建公団所有地をマンション建築のために買いつけていた。
このマンション計画が、都のITセンター構想を変質させる。
人口減に悩む千代田区は、大規模なビルには住宅を付設するよう義務付けているのだが、
「北側に(鹿島の)マンションができる」のを理由に、
コンペの直前になってITセンターの仕様から住宅付設義務が外された。
全棟オフィスとなったITセンターの資産価値がハネあがったのは言うまでもない。
住宅付設が解除されたのは開発エリアの中でもITセンターのみで、
訝しいお手盛り決定だった。
「都議会でもさんざん追及され、銀行税全面敗訴と並ぶ石原都政のアキレス腱になっている」
(都のある部長)。
「まともなコンペが行われていたら倍近い値段がついていたはず。
差額の約三百億円が新党結成資金として石原にキックバックされるらしい」
と民主党国会議員は真顔で言う。
こんな謀略めいた怪情報が永田町を駆け巡るのも背後人脈が余りにもきな臭かったからだ。
417名無しさん@1周年:02/07/14 01:15
 鹿島オーナーの石川六郎名誉会長と中曽根は姻戚関係にあり、
鹿島が「中曽根銘柄」であることは周知の事実だ。
その仲立ちもあってか、石原と石川も浅からぬ関係にある。
実際、鹿島の営業総括部長(中央省庁担当)の栗原俊記は、
石原が衆院議員時代に公設第一秘書を長く務めた人物だ。
栗原は一橋大卒業後、鹿島に就職。
すぐに石原事務所に派遣され、一九八八年まで十年近く秘書を務めていた。
栗原が秘書を辞めたのは、当時石原の対立候補だった故新井将敬の選挙ポスターに
「北朝鮮から帰化」と大量の張り紙をして、現行犯逮捕されたからだった。
石原事務所の「卑劣な選挙妨害」はマスコミの集中砲火を浴びた。
こんな不届き者を石原事務所から引き取り、面倒を見た鹿島の懐の深さは驚くばかりだ。
加藤紘一や鹿野道彦の捕まった元秘書の例を引くまでもあるまい。
栗原もまた秘書時代に培った政官界人脈を生かして辣腕を発揮した。
議員秘書を十年もやった男が不祥事をしでかした後で鹿島に復帰するのも異例なら、
短期間で営業統括部長に栄進し、威勢を張るとは、なにをかいわんや、だ。
「栗原氏の都庁への食い込みは段違い。
都の側は同じ秘書上がりの浜渦武生筆頭副知事が仕切っている。
二人は不仲だという噂もあるが、そんなはずはあるまい。
秋葉原の都有地がどこに払い下げられるか、
最初から目に見えていた」と鹿島のライバル業者は言う。
 秋葉原再開発にまつわる一部の報道や、様々な疑惑に対し、
石原本人も都庁も「一切、無関係」と都議会で答弁している。
鹿島側も「事実無根。栗原は秋葉原の直接の担当ではない」と否定している。
確かに「新党資金のキックバック」などは永田町特有の謀略情報の類だろう。
しかし、都有地払い下げプロセスは「誰の目にも真っ黒だ」(都議会議員)。
実際、捜査当局も政界絡みの案件としてマークしている。
418名無しさん@1周年:02/07/14 01:16
「新党結成」より再選が狙い?

 石原のアキレス腱は「秋葉原」だけではない。あえて詳細にレポートしたのは、
スマートな容姿、歯切れの良さとは裏腹に、石原の足元がいかにぬかるんでいるかを
示したかったからだ。
 銀行税全面敗訴のダメージもきつい。石原は裁判長批判を繰り返しているが、
「都議会の判断を誤らせた都の主税局長は重過失、都知事にも過失があった」
とする一審判決は重く、高裁で逆転勝訴すると見る法曹関係者は少ない。
不測の事態に備える都の財政調整基金は約一三○○億円しかなく、仮に敗訴が確定した
場合、徴収税額を一括返還できず「財政再建団体」に転落する恐れさえ出てくる。
明らかな失政である。
 しかも、この三年間の石原都政には、これといった成果がない。
「お台場カジノ構想」とか「横田基地共用化」とか、派手にぶち上げたものの
実現性は乏しい。もし、一期途中で知事のイスを投げ出したら、前任の青島幸男以上に
「何もできなかった無責任な都知事」という最悪のレッテルを貼られることは目に見えている。
それでも「石原人気」が高いのは、都知事というベストのポジションから、
国政を叱咤する独特のパフォーマンスが受けているからだ。
 自ら「面倒くさい」と切って捨てたように、石原の念頭には新党結成の文字はないのではないか。
知事のまま閣僚を兼務するなどリスクを冒さずとも国政復帰の道はある。
「再選こそが既定路線。どうころんでも俺に損はない」とメディア操縦を楽しんでいる風である。
ジャーナリズムが本来検証すべきは、石原の芸能天才的パフォーマンスではなく、
都知事として何をしたかだ。
「秋葉原問題」や「銀行税敗訴」で示された強引で、危なっかしい体質を問わずに、
国政復帰を論ずるのはおかしい。(敬称略)