おむすびカフェ:ニートの若者ら自立へ 準備着々、来月開店目指す /兵庫
◇みんなのこころ、握ります
社会で生きづらさを感じているひきこもりや定職を持たないニートの若者たちが、支え合って自立を準備する活動として開店を目指す「おむすびカフェ」(神戸市中央区元町通3)が、
若者の親たちを対象にプレオープンしている。メーンのおにぎりメニューは新米収穫の時期までおあずけだが、手作りカレーやパスタを試作中。10月の本格開店を目指す。【川口裕之】
カフェを運営するのは、若者らの集まり「ゼロからの会」(大塚瑞穂世話人)。「生存協同組合」と称し、京都市を中心にひきこもりの支援をしている山田孝明さんが呼びかけた。
4月に事務所を開設後、京都府綾部市で田植えをしたり、7月末からは週1回、神戸市西区の農園で野菜を収穫するなど、活動の幅を広げている。
運営には、ひきこもりぎみの若者ら20〜30代の男女数人が参加。収穫した野菜でカレーを作るなど、メニュー開発に努め、メンバーの親に試食してもらっている。
秋には、自分たちで田植えをした米を収穫して、おにぎり作りをする予定だ。
当初は生ゴミを捨て忘れて虫がわいたり、農園の人と積極的に交流する勇気も持てなかった。だが、月日とともに責任感が芽生え、ゴミ捨ての日を忘れないようになったり、
普段おとなしいメンバーが野菜の調理法を進んで教えるなど前進。社会との接点も増えた。
男性(38)は「楽しいし、充実している。朝起きて一般の人みたいに働くと、社会に少しでも役に立っていると思える。ほかのこともしたいという欲求が出てきた」と前向きに変わってきた。
世話人の大塚さんは「今、作業をできない人が、ちょっとでもできるように。手伝いを少しでもできれば」と話す。
◇6日に講演会
今月6日午後1時半から、神戸市兵庫区駅南通5の神戸市健康づくりセンター健康ライフプラザで、愛知教育大講師の川北稔さんの講演会を開催。
「『生存』の思想と『組合』の実践」をテーマに、力を合わせて生き続ける大切さなどを話す。ゼロからの会の活動報告もある。参加費1000円。問い合わせは同会(078・332・1660)。
〔神戸版〕
http://mainichi.jp/area/hyogo/news/20090904ddlk28040324000c.html