>>423 少し頭を冷やせ。もっと暖かい世の中を作ろうよ。世知辛くするな!
もう何年も前になる。
中学生の弟が鏡の前で一人で笑ってるのを見掛け、吹き出しかけた。
服や髪に気を遣いだし、彼女が出来たと喜んでた時期だった。
だから、今度は笑顔を作る練習でも始めたのか?と考えた。
9つ離れてるから弟が生まれる前から知っていて、
あの赤ん坊が大きくなったもんだと、兄貴面して見なかったことにしてやった。
その後もそういう姿を幾度か見掛けた。
どれだけ経ってか、弟と喋るうちにやっと理由が分かった。
前に法事で親戚が集まったときに、みんな口を揃えて、
「○○(弟)は笑ったらお父さんにそっくり!」って言ってたんだよ。
俺から見ても、確かによく似てる。父が死んだのは弟がまだ幼いときで、
弟は父の顔を憶えていない。父は写真を撮られるのが苦手だったから、笑顔の写真が一枚もない。
弟は普段、誰かが父の話をしても、大して興味なさげにしてるだけだった。
だから、記憶に残ってなきゃこんなもんかと寂しく感じたこともあった。
でも、そんなわけないんだよな。
弟は、ああやって父に会ってたのか・・・と思うとなぜか弟に申し訳なく切なくなる。
あの時、からかわなくて良かった。