--ソフトの不正使用に懸賞金--その2

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社長  「いやー、儲かりすぎて笑いが止まらんな。もう、沖縄では敵無しだろ。」
社員A 「全くです。社長、そろそろ全国展開を考えてもいいんじゃないですか?」
社長  「この勢いだと1年経たない内に全国制覇しちゃうんじゃないか。」
社員B 「社長。お言葉ではありますが、当社は全国的には全く無名ですが・・・」
社長  「マジかよ? 全国展開する前に、どうにかして名前を売れないかな。」
社員C 「社長。2ちゃんねるを利用してみてはどうでしょう?」
社長  「(゚Д゚)ハァ? 自作自演って言われるのがオチだろが。少しは頭使えよ。」
社員C 「いや、そうじゃなくてですね。釣るんですよ。」
社長  「釣りか・・・。なるほど面白そうだな。よし、プロジェクトを立ち上げるぞ!」
     「次回の会議までに各自、案を練ってきてくれ。」

どこまでも青く澄み切った沖縄の海を臨むオフィスで、今世紀最大のプロジェクトが
動き出そうとしていた。

社長  「皆、今日は2ちゃんの連中がグイグイ食いつく餌を決めるからな。」
社員A 「社長。突飛なホームページを作ってみては如何でしょうか?」
社長  「う〜ん、愛生会の2番煎じではインパクトに欠けるだろ。」
社員B 「セキュリティ激甘で顧客情報洩れ放題というのは?」
社長  「うちの会社の顧客情報が洩れても大した祭にはならんぞ。」
社員C 「社長。納税予定の金を検証金にするってのはどうでしょう?」
     「検証金という事で経費として落とせますし、一石二鳥かと。」
社長  「検証金かぁ。社内のマシンをハッキングできたら100万円ってか。」
社員A 「それはチョット・・・。マジでボロボロにされたら、しゃれになりませんよ。」
社員B 「社長。このプロジェクト用におとりソフト1本作るってのはどうですか?」
     「ちょっとしたソフトなら3日で作ってきますよ。」
社長  「そのソフトをクラックできたら・・・か。よし、それで行こう!」
     「細かい事は昼飯を食ってからだ。今日は俺の奢りだ。」

会社設立当初から描いていた全国制覇という野望。その野望の成就に確かな
手ごたえを感じつつ、社長と仲間達は足取りも軽く吉野家へと向かうのだった。
社長  「まずはソフトだな。ここにプロジェクトの成否が掛かってるぞ。」
社員B 「ソフトですが、POS辺りが手ごろかと。で、VBでいきましょう。」
社長  「VBキタ━(゚∀゚)━!!! それ最高。いかにも厨房どもが食いつきそうだ。」
社員A 「システム的にも雑な作りにして、ど素人でも突っ込めるような仕様で。」
社員C 「開発に3年かかりました・・・とか。」
社長  「お前ら、冴えてるじゃねーか。こりゃ、入れ食い間違いなしだな。」
     「じゃ、早速、プログラムとホームページの作成に取り掛かってくれ。」
     「俺は撒き餌をばらまいてくるぜ。」

精鋭部隊によって、ついにプロジェクトPが動き出した。とあるニュースサイトで
プロジェクトPが取り上げられたのは、それからわずか2週間後の事だった。

社長  「さぁ、今日から忙しくなるぞ。2ちゃんウォッチにな(w」
社員A 「社長。早速、スレが立ちましたよ。」
社員B 「わざと簡単にしてやったんだから、とっととハッキングしてくれよ。」
 26  「各種チェック外し:exeファイルの以下を変更 〜」
社員C 「キタキタ━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━!!!!!!!!!」
社長  「俺って神!?とか思いつつ、カキコしてんだろうな。( ´,_ゝ`)プッ」
社員B 「まさに入れ食いですよ。やりましたね、社長。」
社長  「まだまだ序の口だよ。一段落したら、燃料投下するぞ。」

公式サイトが更新され、ある条件が付け加えられた。それは燃料と呼ぶに相応しい
内容で、スレは更なる盛り上がりを見せるのだった。

792 「※検証に関する注意事項 〜 後でルール追加ってあまりにも卑怯」
社長  「やっと、気付いたか。」
社員A 「やっぱり勘違いして必死な香具師が大勢いますよ。」
社員B 「わざと紛らわしい書き方してるんだけど、こんなに上手くいくとは・・・。」
社員C 「社長、もう笑いすぎで腹が痛いです。有給とっていいですか?」
社長  「馬鹿野郎! 腹が痛いのはお前だけじゃねーんだよ。」
     「ここからプロジェクトPの伝説が始まるんだ。行くぞ、おめーら!」