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爽やかな青色の花色素を作り出す酵素のしくみを解明
- 青色色素原料との結合状態の観測に世界で初めて成功 -
引用元:農研機構 2015年2月26日 (木曜日)公開
http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/press/laboratory/flower/056168.html 【発表のポイント】
・青色の花色素を作る酵素の立体構造と、水溶液中で不安定な色素原料アントシアニジンが結合した様子を世界で初めて解明。
・立体構造情報を利用した組換えタンパク質の作製により、人工的に花の色を変えて市場価値を高めたり、医薬品の候補物質の開発に繋がると期待。
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独立行政法人日本原子力研究開発機構(理事長 松浦祥次郎。)原子力科学研究部門量子ビーム応用研究センター分子構造・機能研究グループの廣本武史研究員は、
独立行政法人農研機構(理事長 井邊時雄。)花き研究所と共同で、
植物の花や果実などの発色を担い、医薬品の原料としても期待される色素“アントシアニン”1)を作る酵素の立体構造を明らかにしました。
チョウマメの花弁に含まれる酵素“Ct3GT-A”2)は、色素の原料となるアントシアニジン3)と結合して青色のアントシアニン色素を作りますが、
アントシアニジンが水溶液中で不安定な(分解する)ため、これまで酵素に結合した様子は明らかになっていませんでした。
そこで本研究では、アントシアニジンを弱酸性の条件下で安定化(分解を抑制)することにより、Ct3GT-Aと結合した状態を維持することに成功し、
高エネルギー加速器研究機構(KEK)放射光科学研究施設フォトンファクトリー4)および大型放射光施設SPring-85)を利用したX線結晶構造解析6)により観測しました。
これは、アントシアニジンが酵素に結合した様子を世界で初めて観測した例であり、その結合様式から、発色の異なる色素原料を識別する分子メカニズムを明らかにしました。
本研究成果は、チョウマメに特徴的な青色色素が作られるしくみを理解する上で重要となります。
また、今回得られた立体構造は、酵素の色素原料との結合部位に関する詳細な情報を含むため、植物体への導入による花色等の人為的改変や、本色素原料を基にした医薬品候補物質の開発に利用できると期待されます。
本成果は、2015年2月24日(日本時間)に米国の学術誌「Protein Science」オンライン版に掲載されました。
(引用ここまで 全文は引用元参照)