掲載日:2015年2月11日
http://jp.wsj.com/articles/JJ10622496002130984765717982197283112057766?tesla=y&tesla=y ヒトの歯髄にある幹細胞が生み出す2種類のたんぱく質が免疫細胞に作用し、損傷した組織の炎症を抑えて再生を
促すことを脊髄損傷のラット実験で発見したと、名古屋大大学院医学系研究科の山本朗仁准教授や松原弘記研究員らが
発表した。論文は11日付の米神経科学会誌ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス電子版に掲載される。
山本准教授によると、幹細胞自体を移植する再生医療は生着率の低さや腫瘍形成の恐れなど課題が多いが、
組織再生に役立つたんぱく質だけを薬にできれば、早期に治療に使える。脊髄損傷だけでなく、肝硬変や
間質性肺炎などの治療にも応用できる可能性があるという。
2種類のたんぱく質は、免疫細胞を炎症が起きた所に呼び寄せる役割が知られていた「MCP—1」と、免疫細胞の
過剰な働きを抑える「Siglec—9」。これらが一緒に作用すると、免疫細胞の一種であるマクロファージの性質が
変わり、損傷した組織の炎症を抑え、再生を促すと考えられる。
ラットの脊髄損傷後に2種類のたんぱく質を注入すると、下半身が動かない状態だったのが、約2カ月後までに脚の
運動機能が大幅に改善した。炎症を抑えたことで、損傷した所に神経が伸びて再生されたとみられる。
<参照>
KAKEN - 山本 朗仁(50244083)
https://kaken.nii.ac.jp/d/r/50244083.ja.html