掲載日:2015年1月27日
政府は27日の国家戦略特区諮問会議(議長・安倍晋三首相)で、血液から作製したiPS細胞(人工多能性幹細胞)
を試験用として研究機関に販売することを、特区内に限り許可する方針を示した。新たな規制緩和策として、
通常国会に提出する国家戦略特区法改正案に盛り込み、再生医療の研究を後押しする。
再生医療の研究機関は現在、血液細胞から作った試験用のiPS細胞を購入することができない。血液法は、輸血や
学術研究以外の採血を禁じており、販売目的のiPS細胞作製のための採血も認められていないためだ。このため、
研究機関は自ら人体から採血し、研究用のiPS細胞を作製している。
今後は、特区内ならば事業者が採血して試験用のiPS細胞を作製、販売することが可能になる。研究機関は、
自前での細胞作製にかかる時間や手間が軽減され、研究の加速化が期待できるという。研究機関の間で細胞を
融通し合うことも可能になる。
規制緩和を提案した厚生労働省は、健康・医療分野のイノベーション拠点「関西圏」(大阪、京都、兵庫の2府1県)
などでの事業化を想定している。
政府はこのほか、待機児童の解消策の一環として、保育所の用地確保のため、都市公園内での設置を
一部解禁する方向だ。
<参照>
第11回 国家戦略特別区域諮問会議 配布資料
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/dai11/shiryou.html <記事掲載元>
http://mainichi.jp/select/news/20150128k0000m010103000c.html