Yahoo!ニュース - ソユーズST-B/フレガートMTロケット、通信衛星O3bの打ち上げに成功 (sorae.jp)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141222-00010000-sorae_jp-sctch アリアンスペース社は12月18日、通信衛星O3bを4機搭載した、ソユーズST-B/フレガートMTロケットの打ち上げに成功した。同社にとってソ
ユーズ・ロケットの打ち上げは、今年8月にフレガートMT上段が原因で失敗して以来となった。
ロケットは南米仏領ギアナの現地時間2014年12月18日15時37分(日本時間2014年12月19日3時37分)、ギアナ宇宙センターのELS(ソユーズ
発射台)から離昇した。ロケットは順調に飛行し、約9分後にフレガート上段を分離した。そして3回に分けた燃焼をこなし、打ち上げから2時間後
に最初の2機を、その約22分後に残りの2機を分離し、軌道に投入した。
O3bはタレス・アレニア・スペース社が製造し、O3bネットワークス社が運用する衛星で、高度7,830km、軌道傾斜角0度の軌道から、アジア、
アフリカ、ラテンアメリカ、太平洋上、中東地域の発展途上国に対しインターネット通信を提供し、情報技術(IT)を使える国と使えない国との格差
(ディジタル・デバイド)を縮めることを目的としている。O3bという社名もOther 3 billion(他の30億人)という、現在インターネットの恩恵を受けられ
ない人々の人口を指している。
各衛星の質量は700kg、設計寿命は10年が予定されている。
打ち上げに使われたソユーズST-Bロケットは、ロシアのソユーズUやソユーズFGの後継機として開発されたソユーズ2シリーズのひとつ、ソ
ユーズ2.1bを、フランスのアリアンスペース社が購入して、運用している機体だ。
ソユーズ2ロケット・シリーズでは、従来機からエンジンの改良や、制御システムなどの電子機器の全面的な近代化などが施されている。特に
後者においては、機器の軽量化と、飛行プロファイルの最適化が可能になったこと、打ち上げ能力の向上につながっている。またウクライナなど
から買っていた部品を無くし、ロシア製の部品のみで造られている点も大きな特徴だ。
ソユーズ2シリーズはソユーズ2.1aとソユーズ2.1b、そしてソユーズ2.1vの大きく3種類があり、まず最初にソユーズ2.1aがデビューした。ソユ
ーズ2.1aの1号機は2004年11月8日にサブオービタル(軌道に乗らない)飛行での試験を実施し、2006年10月19日の2号機で、初の人工衛星を搭
載した打ち上げに成功した。それ以来、ロシアの通信衛星や航法衛星、偵察衛星などの打ち上げに使用されている。ソユーズ2.1aはこれまでに
17機が打ち上げられ、2009年に予定より低い軌道に衛星を投入してしまった以外は、成功を収めている。