【進化生物学】細菌から菌類への遺伝子の水平伝播は何度も起こった
1 :
Cancer ★@転載は禁止 :
2014/07/02(水) 22:31:15.17 ID:??? 菌類は細菌から何度も遺伝子を取り込んだ
複数回の独立した遺伝子伝播によって菌類は植物の根に棲み着く能力を得た。
Brian Owens, 02 July 2014
ジャガイモ疫病の原因となる微生物は細菌から遺伝子を獲得してきた(下図はリンゴの
葉の上にいる微生物の彩色された走査型電子顕微鏡像)。
http://www.nature.com/polopoly_fs/7.18216.1404237190!/image/1.15496.jpg_gen/derivatives/fullsize/1.15496.jpg 細菌から菌類への単遺伝子移入は少なくとも15回あった。この発見によって、かつて
細菌だけに起こると考えられていた進化的ショートカットが、複雑な真核生物でも驚く
ほど広く見られることが分かった。
細菌は隣り合う個体と頻繁に双方向に遺伝子を交換して、新しい環境への素早い適応を
可能にする能力と特性を得ている。それに対して、もっと複雑な生物は一般的に遺伝子の
重複や変異というゆっくりとしたプロセスを経なくてはならない
真核生物(菌類、植物、動物を含むドメイン)の間の遺伝子交換はいくつか例があり、
細菌から真核生物への移入の例もある。しかしそういったイベント(遺伝子の水平伝播と
呼ばれる)は、非常に稀であると考えられていた。
しかしリヨン大学(フランス)の微生物生態学者、ダニエル・ミュラー(Daniel Muller)らは、
植物の根の周りの土壌にいる細菌を研究して、その仮定に疑いを持った。彼らは、植物の
根の成長を促進する細菌遺伝子acdSが、いくつかの種類の菌類にも存在することを発見した。
この研究結果は今日「Proceedings of the Royal Society B」誌に発表された。
◆満足できない
ミュラーらは149種の真核生物のゲノムを調べ、acdSに似た遺伝子が65種に存在することを
見いだした(61種は菌類、4種は卵菌と呼ばれる寄生性微生物。アイルランドのジャガイモ
飢饉の原因となった微生物、Phytophthora infestansは卵菌の一種だ)。これらの生物の
遺伝的系統図を分析すると、もっとも可能性の高い説明では、3種類の異なった細菌が全部で
15回の異なった遺伝子の水平伝播イベントで、この遺伝子を菌類と卵菌に提供したことが
確認された。
「数回しか起こってないと思っていたものが、実際にはもっと大規模に、複数の提供者と
複数の受容者の間で起こっていた」とミュラーは話した。
ミュラーはこの細菌遺伝子が元々持っていた、生物と植物宿主とのあいだの相互作用を
増やして生物が根に棲み着くのを助ける機能が維持されていると考えられることも示した。
したがって、真核生物が新しい環境への適応を助ける形質を突然得る機会は、生物学者
たちが考えているより頻繁であると考えられる。
(
>>2 以降につづく)
ソース:Nature News(02 July 2014)
Fungi borrowed bacterial gene again and again
http://www.nature.com/news/fungi-borrowed-bacterial-gene-again-and-again-1.15496 原論文:Proc. R. Soc. B
Maxime Bruto, et al. Frequent, independent transfers of a catabolic gene from
bacteria to contrasted filamentous eukaryotes.
http://rspb.royalsocietypublishing.org/content/281/1789/20140848
2 :
Cancer ★@転載は禁止 :2014/07/02(水) 22:31:35.96 ID:???
>>1 からのつづき
◆曖昧な詳細
ハーヴァード大学(マサチューセッツ州ケンブリッジ)の進化生物学者、チャールズ・
デイヴィス(Charles Davis)は、この研究が細菌と真核生物との間の遺伝子伝播の
「乱雑さ」が予想外に高いことを示した、と話した。しかしそれは多数の同様の研究と
同じ問題に直面するという。即ち、この遺伝的系統の分析は伝播がいつどこで起こった
かを明らかにできるほど詳細ではない。「伝播の数が過大に評価されている可能性を
除外できない」と彼は話した。
彼によるともう一つの大きな疑問は、それがどのように起こったかだ。「どのような
生態学的背景があったのか?」
ミュラーは遺伝子伝播の機構が謎であることに同意した。彼のチームは転移因子(トランス
ポゾン)の証拠を見つけられなかった。転移因子はゲノムのある場所から別の場所に
「ジャンプ」できる小さなDNA配列で、新しい遺伝物質の出現と関連していることが多い。
菌類のacdS遺伝子の近くには、他の細菌遺伝子も見つからなかった。遺伝子伝播で伝わる
遺伝子は通常は一つより多い。だがどのような仕組みであっても、菌類と細菌が植物の
近くの土壌に共存する事実は互いに遺伝子が交換される機会を豊富に提供すると考えられる。
デイヴィスは物理的接近が遺伝子の水平伝播に重用であることに賛成した。「それこそ
私が寄生システムを研究する理由だ」と彼は話した。「寄生システムは提供者と受容者の
間の関係をより明白にする」
おわり
ベクターというヤツ? これならありそうだね
細菌が遺伝子を外部から取り込めるなら 人間も知らず知らずのうちに遺伝子を取り込んでそうだな
5 :
名無しのひみつ@転載は禁止 :2014/07/02(水) 23:03:01.34 ID:dlDx9D5P
遺伝子進化論が注目されるのか。
細菌は違う種と交雑するのか?
8 :
名無しのひみつ@転載は禁止 :2014/07/02(水) 23:16:26.80 ID:PRLzRLHp
確か人間の唾液がデンプンを糖に分解できるアミラーゼを持っているのは そういう遺伝子を持った最近かウィルスに感染したせいだという説もあったな。
9 :
名無しのひみつ@転載は禁止 :2014/07/02(水) 23:18:59.36 ID:AAsYlk83
数回じゃなくて数十回でも希なことには変わりない気もする
懐かしいなウイルス進化論
11 :
154@転載は禁止 :2014/07/03(木) 07:54:10.28 ID:sHTQkcjA
進化的ショートカット = 進化には王道がある そういうことで
ジーンダイバー(教育TV)結構あたってのか
ある種の遺伝子群は独立した意思を持ち、異種間を渡り歩く。 たぶん起源は地球外生命体
14 :
名無しのひみつ@転載は禁止 :2014/07/03(木) 14:00:09.95 ID:w+YtdMaK
菌類への遺伝子の伝播に鉄壁は存在しなかったのだな。
中原英巨
細菌類も真菌類も「菌」がついててややこしいわ しかも卵菌は真菌類じゃないとか
じゃあ獣姦で猫娘ができる可能性もまだあるわけなんだな
>>4 体内菌も外の細菌影響しあったりしてるだろうし、
それによって体の特性も変わるってのもあるかもね。
20 :
名無しのひみつ@転載は禁止 :2014/07/04(金) 19:49:54.71 ID:rCLo/z8B
遺伝子の融合なるものが有るのか はたまた病気と呼ばれる状態異常によるものなのか
トランスポゾンが働いてる場合は水平伝播って言わないんだったかな・・・ トリペアレンタルメーティングとかアグロバクテリウムの感染みたいなことを言ってるのか・・・
人間の体の中にあるミトコンドリアも元は細菌?
人間の場合だと精子又は卵子または受精卵にウイルスが感染してDNAを運び込み、 それがちゃんと交配可能な親の個体に成長する必要がある。 確率的にはかなり低そうな気がする。
>>7 >>8 その手の話で理解し難いのは
どうやったらヒトの生殖細胞まで
遺伝子が混入しうるのか、ということだ。
性病だな