クモの性格、仕事の成果を決める?
Marcus Woo, June 17, 2014
押しが強くないと商談はまとまらない。でも穏やかで献身的でないと良い医者や先生には
なれない。人間社会では、個々の性格が職業の選択や成功に常に大きな役割を果たしている。
クモの社会でも性格が重要であることが新しい研究によって明らかになった。
ヒメグモ科のアネロシムス・ストゥディオスス(Anelosimus studiosus)は一見するとみな
同じに見えるが、「攻撃的」あるいは「おとなしい」という2つの異なる性格のどちらかを持つ。
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_images/social-spider-division-labor-01_80753_990x742_600x450.jpg 少数ではあるがアリやハチのようにコロニーで共同生活をする種類のクモがいる。彼らにも
それぞれ個性があり、それによって集団内での役割や仕事の向き不向きも決定されているようだ。
◆性格がすべて
アリやハチのような社会性昆虫は、身体的な特徴を基に仕事が与えられる。例えば、
体の大きなアリは主にエサを運んで外敵からコロニーを守る。
性格が仕事にどのような影響を与えているかまだ十分に解明されていないと、研究を
率いたピッツバーグ大学のコリン・ライト(Colin Wright)氏は述べる。
6月16日付で「Proceedings of the National Academy of Sciences」誌オンライン版に
発表された新しい研究で、ライト氏の研究チームはアメリカ大陸に生息するヒメグモ科の
アネロシマス・スタディオサス(Anelosimus studiosus)のメスを研究した。みな同じ
ように見えるが、それぞれ「攻撃的」あるいは「おとなしい」という2つの異なる性格の
どちらかを持つ。
まず性格を判別するため、研究者らは箱の中に2匹のクモを入れた。1日経って2匹が互いに
近づいた場合、両方がおとなしく協力的と見なされる。一方、反対の隅に離れていった場合、
攻撃的なクモは個人的なスペースを要するため、2匹の内少なくとも1匹が攻撃的と判断される。
次に2匹のクモは別れて、既におとなしい性格と判明しているクモとそれぞれペアを組み、
攻撃的性格かどうか最終的に判断される。
次に研究チームは、各性格のクモが受け持つ仕事を観察した。攻撃的なクモは、コロニーを
守り、巣を作り、獲物を捕らえるのにほとんどの時間を費やした。一方、おとなしいクモの
ほとんどは小グモの世話をしていた。
さらに、性格が仕事の成果にも関係していることが明らかになった。攻撃的なクモは、
侵入者を追い払い、破れた巣を修復し、コオロギを捕まえることに長けていたが、小グモの
世話をするのが下手で不注意に殺してしまうため、子孫に低い生存率をもたらした。
(つづきはソースを見てください)
ソース:ナショナルジオグラフィック ニュース(June 17, 2014)
クモの性格、仕事の成果を決める?
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20140617004 原論文:PNAS
Colin M. Wright, C. Tate Holbrook, and Jonathan N. Pruitt.
Animal personality aligns task specialization and task proficiency in a spider society.
http://www.pnas.org/content/early/2014/06/11/1400850111