ハーヴァードの心理学者の不正調査が発表された
Jennifer Couzin-Frankel, May 30, 2014 - 4:30pm
マーク・ハウザーが科学的不正を犯したことを認めるハーヴァードの調査がついに公表された。
http://news.sciencemag.org/sites/default/files/styles/thumb_article_l/public/si-hauser.jpg ハーヴァード大学が著名な心理学者マーク・ハウザー(Marc Hauser)の不正調査が終了
して4年を経て、この研究機関の報告がついに明るみに出た――情報自由法(FIOA)に
基づく請求を通してこの文書を閲覧したボストングローブ紙のリポーターのおかげだ。
今日のグローブ紙の報道によると、報告は「ハウザーラボで実際に何が起こったのかを
生々しく描き出し、問題の原因が単なる過失ではなかったことを示す」という。
研究公正局(ORI)はハウザーの研究不正の罪を2012年に認めた。彼は前年にハーヴァードの
研究ポジションから解雇されていた。彼はそこで認知と道徳性の生物学的性質を見分ける
ためにヒトとサルを研究していた。しかしハーヴァードはその調査結果を公表しなかった。
それは80ページ以上で「機密」スタンプが押され、大学調査の規範通りにORIに提出された。
今日、FOIA請求への返答としてこの報告のコピーが保健福祉省からサイエンス誌に届いた。
ページにはたくさんの黒塗りがあったが、大学による徹底的な調査の内容が詳細に報告
されていた。3人の委員会メンバーは証拠を厳密に調べるために18回の会合をし、10人に
インタビューし、ハウザーと彼の弁護士と2回、合計9時間にわたって面会した。「オープン
マインドで始めることを我々の責任とみなした」と調査委員は報告に書いている。
彼らが見たものはひどかった。調査委員によと、2002年のコグニション誌の論文では、
ワタボウシタマリンについての発表された結果が、生データを含むビデオテープと合致
しなかった。「従って実験の結果はハウザー教授によって故意に虚偽に報告された」と
彼らは結論づけた。その論文は撤回されている。コグニション誌、サイエンス誌、および
ネイチャー誌に投稿された別のプロジェクトの草稿のバージョンでは、ハウザーは「対象
16体のうち16体」が正しい文法より間違った文法に大きく応答したと主張した。真実は
応答の程度が大きかったのは13体のサルというものだった。どちらの結果でも統計的に
有意だが、「結果の強さを誇張するために実際の実験データを誤って伝えたことは捏造だ」
と調査委員は書いた。アカゲザルについての別の研究では、「調査記録」と2007年に
「Proceedings of the Royal Society B」誌に発表された論文の間に矛盾が見られた。
「ハウザー教授がくり返し、科学的手法の正確な表現や根拠として得たデータの整合性
より彼のアイディアの優位性と重要性を評価した証拠を見いだした」と3人の調査委員
たちは結論づけた。3人は「同分野の研究者たち」と記述されていた。彼らの名前は、
インタビューされた人々のものと同様に、報告の中で黒塗りされている。
問題解決のためにハウザーはORIと、犯した研究不正の肯定も否定もしないまま和解合意に
達した。彼は公衆衛生局に支援される全ての調査を3年にわたって監視されることに同意した。
ハウザーは現在ケープコッドに住んでいて、昨年にヒトの行動についての本「Evilicious:
Cruelty = Desire + Denial」を出版して人々を驚かせた。彼のブログによると、彼は
言語、認知、進化についての科学的総説論文を書き続けていて、非行に走りがちな青少年に
ついて研究しているという。
ソース:ScienceInsider(May 30, 2014)
Harvard Misconduct Investigation of Psychologist Released
http://news.sciencemag.org/people-events/2014/05/harvard-misconduct-investigation-psychologist-released