一点だけで聞こえる音響システム 立命館大
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2014060290200537.html 特定の人の耳元のような極めて狭い領域でだけ、ピンポイントで音が聞こえる音響システムを、
立命館大(京都市)の西浦敬信教授(音響工学)らが開発したと2日発表した。
美術館で絵の前の人にだけ解説を伝えたり、テレビの音を見ている人だけが聞こえるようにすることが可能という。
従来も超音波が広がらずに一直線に進む性質を利用し、直線上の人にだけ音を伝える
超音波スピーカーはあったが、直線上なら誰でも聞こえ、反射で音が拡散するなどの欠点があった。
超音波は人には聞こえないが、一定の条件を満たす2つの異なる超音波が同時に鳴ると、
「うなり」という低い音が聞こえる。超音波スピーカーはうなりで音を伝えており、グループはこの性質を利用した。
2つの超音波を別のスピーカーから流して一点で交わらせることで、その交点でだけ
音を響かせることに成功。静かな室内で、握りこぶし大の領域でだけ音楽やラジオが聞こえるようにできたという。
従来の超音波スピーカーと同程度の価格で制作でき、今後は聞こえる場所や大きさを自由に
調節する仕組みを開発するという。西浦教授は「駅のデジタル広告の前に立った人にだけ
画面に合った音を伝えるといった応用は、近く実用化できるのではないか」と話している。
(中日新聞)