【技術】リグニン構成成分を原料としたバイオプラスチックの微生物生産
1 :
とうやこちょうφ ★@転載禁止:
リグニン構成成分を原料としたバイオプラスチックの微生物生産
−未利用で非食料系の植物資源から作られるプラスチック−
ポイント
産業利用することが困難であった植物バイオマスのリグニンを有効利用
微生物の利用により、リグニン分解物から1段階でプラスチックを生合成
バイオリファイナリー技術と融合することで幅広い物質生産に利用できる可能性
要旨
理化学研究所(理研、野依良治理事長)は、植物を構成する成分であるリグニン[1]の分解物を微生物に与えることで、
バイオプラスチックの一種であるポリヒドロキシアルカン酸(PHA)[2]を合成することに成功しました。これは、
理研環境資源科学研究センター(篠崎一雄センター長)バイオマス工学連携部門 酵素研究チームの富澤哲特別研究員、
沼田圭司チームリーダーらと、株式会社カネカ(菅原公一社長)のGP事業開発部(山田和彦GP事業開発部長)
松本圭司将来技術グループリーダーらとの共同研究グループによる成果です。
石油資源からの脱却を目指し、植物バイオマスを利用した物質生産に関する研究が世界各国で進められています。これまで、
植物バイオマスのなかでも、セルロースなどは分解による糖への変換が幅広く進められてきましたが、樹木に多く含まれる
リグニンは分解性が低く、また分解後に得られるいくつかの分解物が微生物などへ毒性を示すなどの理由で、利用が困難であると
考えられてきました。
共同研究グループは、リグニンを構成する芳香族化合物および類似する芳香族化合物を単一炭素源として、複数種の微生物に
与えることで、PHAの合成を試みました。その結果、PHAの生産株として有名な真正細菌の一種「ラルストニア・ユートロファH16
(Ralstonia eutropha H16)(Cupriavidus necator)[3]が、リグニンの構成成分である4-ヒドロキシ安息香酸(4-HBA)をはじめ
複数の芳香族化合物から、PHAを合成することを確認しました。4-HBAを用いた場合、微生物の乾燥菌体重量の63wt%
(質量パーセント濃度)程度までPHAを微生物内に蓄積でき、生産性が高いことも分かりました。精製後に得られたPHAは、
糖や植物油を原料として合成したPHAに比べ、分子量がやや低いものの、フィルムなどのプラスチック製品として利用可能な
物性を示しました。
今回の成果から、これまで利用が困難であったリグニンを用いた、微生物による物質生産を目指した基盤技術の構築が期待されます。
また、リグニン分解物を含む製紙工場などの廃液利用へも応用が可能であり、幅広いバイオリファイナリー技術と融合することにより、
新たなバイオマス産業の構築が期待できます。本研究成果は、米国化学会の科学雑誌『ACS Sustainable Chemistry & Engineering』に
掲載されるに先立ち、オンライン版(3月28日付け:日本時間3月29日)に掲載されます。
(以下略:続きはソースをお読み下さい)
ソース
http://www.riken.jp/pr/press/2014/20140329_1/ 樹木の細胞壁に含まれる「リグニン」を原料にバイオプラスチック合成 -理研
http://news.goo.ne.jp/article/mycom/life/mycom_949195.html ご依頼いただきました
http://anago.2ch.net/test/read.cgi/scienceplus/1392821881/228
2 :
名無しのひみつ@転載禁止:2014/04/10(木) 20:26:12.53 ID:RCqubL/7
ポリマーは石油からつくるのがベスト。
バイオ材料からつくると、
エネルギーも石油(化石資源)も余計に使う。
PETのリサイクルがポシャった理由もそれ。
ついに理研は狂ったのか????
3 :
名無しのひみつ@転載禁止:2014/04/10(木) 20:35:40.53 ID:yvpC7/XR
弱高分子など作ってどないするねん^^
4 :
名無しのひみつ@転載禁止:2014/04/10(木) 20:40:51.36 ID:XBIXF7vj
>>2 今まで無視されてきたリグニン加工物の用途が
爆発的に広がるかもしれない。かもだけどさ。
>>1 リグニンって、パルプ作るときの副産物で邪魔者扱いのあれか?
可燃物に混ぜて燃料ペレット化じゃいかんの?
(´-`).。oO(200回は成功しとるんだろうなあ...)
理研さんがリグニンをプラスチック化させるのに成功か!!!!!
>>5植物の細胞壁はセルロースで出来ているが、
植物細胞が老化するにつれてリグニンが蓄積していく
これが貯まることで硬く頑丈な細胞になる
樹木の木質の組織には、リグニンが大量に貯まっている
樹木でも特に硬いコクタン、シタン、チークなどでは
リグニンが細胞を埋める比率は80%以上になる
ユソウボク(リグナムバイタ)という木では密度が1.3g/cm^3もあるが
リグニンの密度は1.4程度だから90%以上だな
コルクに貯まるのはスベリンという別の物質
9 :
名無しのひみつ@転載禁止:2014/04/10(木) 23:20:47.27 ID:U5/BWvQS
2010年11月7日の放送|TBSテレビ:夢の扉
http://www.tbs.co.jp/yumetobi/backnumber/20101107.html » 2010年11月7日放送
木から作るプラスティックで世界を変えたい
現代社会の生活に欠かせない素材としてプラスティックがあります。そしてその多くが化石燃料の
石油から作られています。
欠かすことの出来ないプラスティックではあっても、石油の枯渇が叫ばれ、更に地球温暖化の原因
ともなる化石燃料では、どんなに必要なプラスティックでも難しい状況が迫っています。そこで、
最近では化石燃料を使わなくてもプラスティックになる材質が数多く発表されるようになりました。
その中で木からプラスティックにならないかと長年研究を重ねてきた人がいます、三重大学大学院の
舩岡正光教授です。舩岡先生は間伐材、建築廃材、古紙など捨てられるものを原料として研究を重ね
てきました。そして、15年の歳月を経て“りぐぱる”と呼ばれるプラスティックを完成させました。
これからは、大量生産に向けたプラント作りを行うために資材供給に事欠かない、徳島県で地元
企業などと組みながら進めているところです。そんな舩岡先生の活躍を紹介します。
10 :
名無しのひみつ@転載禁止:2014/04/11(金) 00:48:16.88 ID:Z2BF1l0B
材木の資源回収が軌道に乗る所までやれ
11 :
名無しのひみつ@転載禁止:2014/04/11(金) 00:48:54.47 ID:0/52DX5+
分解されるプラスチック
まさに夢の素材だわ
がんばれ
北方の針葉樹なんて材が脆くて、パルプにはなるが家具などには加工してもすぐ割れたりしていた
だがパルプ製造で余るリグニンをプラスチックに出来るなら、一気に利用が増える
またこれは賛否両論ありそうだが、
木材加工はどうしても職人の世界という面が大きく、熟練するのに時間を要したものだ
そして製品の生産速度も遅い
それが、プラスチックであれば機械的にどんどん作ることが出来る
(その分だけ職人が失業するのも問題だが)
また、日本などは行儀良くプラスチック類やビニール類を回収して燃やすなり再資源化するなりしているが、
これならそこら辺に放置しても分解する
将来、生ごみと泥とリグニンプラスチックの使用済み弁当箱を混ぜて積み上げておいたらそれだけで堆肥にできた!
なんて技術が完成するかも知れん
他の化学物質が混入している影響はある程度懸念されるが
リグニンってナイロンを劣化させちまうんだろ?
衣装ケースとかシートカバーには使えないね
ああリグニンそのものじゃなくてPHAってやつにしてから作るのか
なら平気なのかな
日本の休耕田で燃料作りまくって
東南アジアで乾季の長い地域でもモブラ作りまくって
稲藁エタノールが出来るなら、枯れたアシでもセイタカアワダチソウでも使ってエタノール作って
ポリヒドロキシアルカン酸
最初、アルカンの文字が目に留まって
あんまり体に良さそうなものじゃないなあと思ったが、
よく考えたらポリ乳酸だってこの仲間だ
というかヒドロキシ酸といえば
乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸のように
食物にさわやかな酸味を添える物質じゃん
これなら一定濃度以下ならクエン酸回路で余裕で分解できる
将来は、PHAのフィルムで余ったおかずをラップして冷蔵庫に入れて
翌日チンして、脂汁まみれのフィルムごとコンポストに入れて
全て堆肥にできる、そんな時代も近いな
回収がめんどくさそう
>>15 夢の扉+
2014年4月13日放送
BS-TBS:4月17日よる11:00〜
TBSニュースバード:4月16日よる11:00〜
原料は植物! 鋼鉄より強い“万能素材”誕生!
車のボディから家電製品まで、草木でつくる時代へ!?
ドリームメーカー:
京都大学 生存圏研究所/矢野浩之教授
http://www.tbs.co.jp/yumetobi-plus/backnumber/20140410.html 鋼鉄の約5倍の強度で、熱にも強い。なのに、プラスチックのように軽く、透明にもなる─。
そんな、万能にして魔法のような素材が生まれた。
家電製品から車のボディまで、あらゆる工業製品の部材になる可能性を秘めているが、
驚くのは、その原料。なんと、“植物”からできているのだ!
この“最強の植物素材”を、世界に先駆けて開発したのが、京都大学の矢野浩之教授。
矢野が目をつけたのは、植物を構成する超微細な繊維「セルロース」。
これを植物から取り出して、小さくナノレベルにまで分解し、
まったく新しい素材をつくる技術開発に成功した。
'12.0505
第149回 バイオ・ナノ・ファイバー開発 京都大学 生存圏研究所 生物機能材料分野 教授 矢野浩之
http://www.tfm.co.jp/fr/index.php?itemid=51231&catid=485 そうして目をつけたのが木材のナノレベルの構造にある「セルロース」です。
「紙」はとても脆い物質だと思いがちです。
でも、紙を構成している細い髪の毛ぐらいの太さの繊維であるパルプは、
実は鋼鉄の4倍も5倍も強い材料です。
そのことを知った矢野教授はセルロースのナノファイバーを木材から取り出し、
前述のカニやエビの甲羅と同じように、余計な成分を取り除き、
プラスチックをつくる技術にたどり着いたのです。
カニやエビの殻を透明にしたのも、
そうした本質的な技術開発を一般にわかりやすく知らしめるため。
ここからつくられた素材はガラスの何倍も強くて鋼鉄並み、
熱による伸び縮みはガラスよりもずっと小さい。
液晶テレビやプラズマテレビは薄いガラス板にいろいろな物質がのり、
電気を流す事によって映像が出ていますが、
その透明基板よりも、もっと優れたものをつくることができるようになったのです。
22 :
名無しのひみつ@転載禁止:2014/04/16(水) 01:36:45.67 ID:85KeIvs1
>>2 経済学部卒の観点からキツイことを言うと
EPRというのは
「工学などの理系の本業で、教授に後継者指名してもらえなかった人たちが
環境政治家の御用学者になって、メシを食うための似非経済学の環境経済学」
の「有害な指標」だと思う
石油が枯渇してゆくにつれて
我々は、原子力エネルギーで、有機ゴミバイオマスから石油を作らねば
現在の文明を維持できなくなるんだよ
原子力エネルギーでジェット機を飛ばせない以上
原子力エネルギー10メガジュールを投入して
セルロースエタノール残渣(糖化残渣・発酵残渣)を「核熱炭焼き」して
ガス液化 木炭液化の要領で 人造石油8メガジュールを生産することは
EPRではマイナスだが、
経済価値の安い核熱から 経済価値の高いBTLジェット燃料を作るから
経済的には 国民経済の福利増進に役立つ
EPRなんて指標は「狂った有害な計器」で国民をミスリードする
核熱や廃熱などの低価値エネルギーを使えば EPRマイナスであっても
石油代替油やプラスチックなどの高価値品を作ることは 経済学的にはプラスだ
23 :
名無しのひみつ@転載禁止:2014/04/16(水) 01:42:17.10 ID:85KeIvs1
リグニンって 亀の子がいくつも蜂の巣状につながっているんでしょ?
どうやって ベンゼン環を「くぱあ」させて、直鎖とか エチレンにするのかな?
専門外だからわからんが(w
微生物に与えて作ってもらう方向だからなあ
これを全部化学反応としてラボや工場で再現できたら凄いけど
【素材】バイオプラで人形、3Dプリンターがつくる新用途 [2014/04/19]
http://anago.2ch.net/test/read.cgi/bizplus/1397905310/ ポリ乳酸の融点は約170度。プラスチックの中でも比較的低い。
少ない熱で溶かせるため、家庭用の3Dプリンターに適しているのだ。
融点の低さは、これまでポリ乳酸の短所の1つだった。
そこで帝人は特殊な技術を応用して融点を230度近くまで上げ、布地にしてアイロンがけしても焦げないポリ乳酸を開発してきた。
帝人は特殊な分子構造を持ち、イソシアネートガスを全く出さない「環状カルボジイミド化合物」を開発した。
ポリエステル系を中心とする幅広いプラスチックに使えることから、昨年から外販も始めた。
帝人は環状カルボジイミド化合物を配合した3Dプリンター向けのポリ乳酸を製品化し、15年にも市場参入を狙う。
同社環境エネルギー・先端素材事業推進班の内山昭彦班長は「石油由来のプラスチックを代替するという発想だけでは普及しない。
ポリ乳酸の物性を生かして、ニッチでも深く“刺さる”用途を開発していきたい」と語る。
27 :
名無しのひみつ@転載禁止:2014/04/21(月) 03:59:18.99 ID:ZxdnqWzN
個人的には、原子力で水を熱分解すると水素ができるんだけど
水素そのものは、体積エネルギー密度が低く、洩れ易いという欠点があるので
核熱でリグニンを「炭焼き」してガスからフィッシャートロプシュ法で
炭化水素=人造石油を作り、残ったチャー=バイオ炭と水素を反応させて
炭化水素=人造石油を作るのが
新規にハードルの高い技術開発が不要で、既存技術を利用して
コストもバイオ油より安く、カーボンニュートラルな人造石油を得られると思うんだけどね
田子の浦ゆ
うち出でてみれば
真っ黒にぞ
ヘドロ臭くて
泣けて悲しき
と、公害戦争の1970年ごろには新聞の短歌欄に投稿されていたものである
駿河湾の製紙工場の排水で汚染されたのだ
ここでリグニンがどっさり溶けているのだ
これが、プラスチックや
>>27の炭化水素など、宝の山に変わる!
問題は紙需要が落ちて国内の製紙工場の稼動具合が昔より…
>>30>高分子を熱硬化性樹脂に変える。
今度は熱硬化性樹脂か!
クリスタルセルロースと合わせれば、機体を木材由来の
クリスタルセルロースファイバー&リグニンベークライトによる
複合素材の航空機も出来そうだな