>>11 生まれて三か月、親がよそよそしくなったのです。いままであれだけ優しかったお母さんが
目も合わせてくれない…
そんな日が1週間続いたとき、川縁に連れていかれ
「これからここで石を洗うんだよ」「ずっとだよ」
周囲を見ると、石を洗っているたくさんの仲間。そこにはお父さんの姿もあったのです。
声をかけても反応はなく、石を洗うばかり。
「おまえも頑張るんだよ」
「お母さん、いつまでここにいればいいの?」
「…そうだね…いつまでだろうね…」
そう言ってお母さんは去っていきました。
それからどれだけの歳月がたったのか、お父さんはある時から見なくなり、気づくと周囲も
ずいぶん入れ替わっていました。
ぼくはあの日から石を洗いながら石にぼくの名前とお母さんの名前を書いて川に戻しています。
いつかこの石がお母さんの元に届きますように。