兵庫県の医薬品メーカーが、培養した細胞を医薬品として初めて、年度内に承認申請することが28日、わかった。
細胞の医療への利用は、国が将来有望な産業分野として、2014年秋に施行される改正薬事法(医薬品医療機器法)で
推進する方針。iPS細胞(人工多能性幹細胞)を始めとする再生医療製品の普及に向けた先行事例となりそうだ。
申請は、中堅メーカー「日本ケミカルリサーチ」が予定。健康な人から骨髄液を採取させてもらい、その中の幹細胞を培養して、
骨髄やさい帯血の移植を受けた際に副作用として起きる「移植片対宿主病いしょくへんたいしゅくしゅびょう(GVHD)」の治療に使う。
GVHDは、移植された骨髄などの中の免疫細胞が、患者の体を攻撃する病気で、
日本造血細胞移植学会によると年間約1200人が重いGVHDを発症。
このうち約500人は治療薬が効かず、死に至ることがある。
治療に使うのは拒絶反応が起きにくい種類の幹細胞で、
患者に点滴で投与すると、幹細胞から出るたんぱく質が免疫細胞による攻撃を抑える。
経済産業省によると、同様の治療用細胞はカナダとニュージーランドで承認されている。
(2013年12月29日03時18分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20131229-OYT1T00010.htm