【生物】子だくさんの働かないアリと過労死する働きアリ 公共財ジレンマが存在しているのを証明/琉球大

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66名無し
《 研究チームでは,アミメアリというアリに着目しました.
このアリは日本では本州以南に広く分布していますが,その社会はとても風変わりです.
一般的なアリには女王と働きアリがおり,女王が産んだ卵を働きアリが育てるという分業体制が見られますが,アミメアリには女王がいません.
その代わりに,働きアリの見た目を持つすべてのメス個体が卵を産み,同時に誰が産んだ卵であっても分け隔てなく育てます.
もう一点風変わりなのは,メスはオスと交尾することなく,メスの子を産むことができるということです(産雌性単為生殖といいます).
研究チームでは以前の研究で,三重県紀北町(きほくちょう)のアミメアリのコロニー(巣)に,労働を行わないかわりに産卵ばかり行う個体が混じっていることを発見し,これらの個体が通常の働きアリとは遺伝的に異なる系統に属することを示しています.
この「働かないアリ」系統がもつ性質は遺伝的に決まっており,働かないアリから生まれた子供は親と同じく働かない,ということもわかっています.
働くという行動は自分のエネルギーを犠牲にして他者を利することを意味するので,「働かないアリ」系統に属する個体は,働きアリ系統がもたらす助け合いの利益にただ乗りしていることになります.
この性質は進化生物学においては「裏切り」とも呼ばれます.
今回の研究では,紀北町で採集したコロニーから「働かないアリ」系統の個体の割合をさまざまに変えた小規模コロニーを作成し,実験室内の均一な条件のもとで64日間飼育しました.
働きアリと働かないアリは,成虫の形が違うことで見分けられますが(働かないアリは働きアリよりも大きく,頭部に3つの単眼を持つ),
飼育の結果得られた卵や幼虫は,見た目だけではどちらの親が産んだものか識別できません.
そこで,ゲノムに含まれるマイクロサテライト領域(ヒトでも親子判別に用いられる遺伝マーカー)の配列長の違いを利用して,どちらの系統に属するかを判別しました.

<結果>
実験の結果,「働かないアリ」系統の個体は一緒にいる働きアリ系統の個体よりも常に生存率が高く,また多くの子を残すこと,しかし,「働かないアリ」系統のみのコロニーは子を残すことができないこと,が明らかとなりました.
これらの結果は,「働かないアリ」系統がただ乗りの利益を得て,世代を経るごとにコロニーの中でその割合を増すことができるが,ついには自らの系統だけになりコロニーを成立させることができなくなるという,典型的な「公共財ジレンマ」の構造を示しています.
興味深いことに,飼育途中での行動観察の結果,「働かないアリ」系統の割合が多いコロニーほど,働きアリ系統の個体はより多く巣の外に出て働くようになること,その結果として働きアリ系統は生存率が低下してしまうこと,もわかりました.
仕事の穴を埋めたがゆえの「過労死」ともいえるこの行動は,辻研究室の過去の研究で別のアリでも観察されており,これは協同的な社会において一般的な現象ではないかと推測されます.


<研究の意義>
「公共財ジレンマ」の状況は,ヒト社会の他にも,助け合い社会を作る何種類かの微生物においても実験的に再現されています.
本研究は,社会の成り立ちが全く異なるヒトとアリ,微生物の間で,助け合いと利己性との間でのジレンマという共通の説明原理が適用できることを示しています.
すなわち,アリ社会において助け合いがなぜ生じるかを理解することが,我々自身の社会における助け合いのより深い理解につながることが期待できます.
野外のアミメアリでは,集団全体の中の「働かないアリ」系統の割合は非常に低く,今のところ「公共財ジレンマ」が顕在化する兆候はありません.
なぜ野外のアミメアリで助け合いが維持されているのかは今後の研究課題です.》




これって、つまり別種って事だよね?
カッコウの托卵みたいな寄生を「働かないアリ」種が種全体でやってるって事じゃないのか?
正に異民族の生活保護だろ。