【脳】マウスの強迫症を光ファイバーの光を利用して脳の電気的・生化学的シグナルを操作して調べる

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神経回路はマウスのOCDに関連している
Neural Circuitry Linked to OCD in Mice

Science今週号に掲載された2件の研究で、光遺伝学(光ファイバーの光を利用して脳の電気的・生化学的
シグナルを操作する技術)をどのように利用して、強迫症(OCD)の根本原因を調べているかが報告されている。

OCDの特徴は、望んでいない侵入思考(強迫観念)と反復・儀礼的行動(強迫行為)であり、罹患している
世界中の何百万人もの人々に深刻な影響を与えうる。

Susanne Ahmariらは、マウスの脳に光電極を埋め込み、それを利用して眼窩前頭皮質(OFC)および腹内
側線条体(VMS)領域(これらの領域はこれまでにヒトのOCDと関連していることが示されている)のニューロンを
刺激した。

Ahmariらは、数日間、1日あたり5分間だけこれらの脳領域を光遺伝学的に反復刺激すると、マウスの毛繕い
(OCDに関連したマウスの行動)が増加したことを明らかにした。この強迫的な毛繕いは、光遺伝学的刺激の
2週間後まで持続した。また、光遺伝学的刺激を約6日間行った後は、OFCとVMSのニューロンが自然に発火し、
強迫的な毛繕いに光遺伝学的誘発は不要であった。しかし、OCD治療の第1選択薬であるフルオキセチンを
用いると、この強迫的行動を中止させることができた。

別の報告で、Eric Burguièreらが、光遺伝学をどのように利用して、Sapap3遺伝子(この遺伝子がないと過度の
毛繕いが生じる)を欠失するよう操作されたマウスの反復・強迫行為をブロックしたかを説明している。

Burguièreらは、このマウスの脳の内側線条体領域に異常があることを明らかにし、光遺伝学を利用して外側OFCの
ニューロンを刺激した。すると、この異常が補償されて強迫行動がなくなった。

まとめると、これらの知見は、OCDが、異常なニューロン活動の小さいが反復したバーストにより引き起こされる可能性が
あることを示唆している。また、反復行動を特徴とする疾患の治療における新しいアプローチの手がかりを示している。

Scott RauchとWilliam Carlezon Jr.によるPerspectiveで、これらの知見とその意義を詳細に説明する。

Science 2013 年6 月 7 日号ハイライト
http://www.eurekalert.org/pub_releases/translations/sci060713jp.pdf

皮質線条体路の反復刺激は強迫性障害様の行動を引き起こす
Repeated Cortico-Striatal Stimulation Generates Persistent OCD-Like Behavior
Susanne E. Ahmari, Timothy Spellman, Neria L. Douglass, Mazen A. Kheirbek, H. Blair Simpson, and 3 more
Science 7 June 2013: Vol. 340 no. 6137 pp. 1234-1239 DOI: 10.1126/science.1234733
http://www.sciencemag.org/content/340/6137/1234.abstract

外側前頭眼窩野-線条体経路へのオプトジェネティック刺激は強迫行動を抑制する
Optogenetic Stimulation of Lateral Orbitofronto-Striatal Pathway Suppresses Compulsive Behaviors
Eric Burguière, Patrícia Monteiro, Guoping Feng, Ann M. Graybiel
Science 7 June 2013: Vol. 340 no. 6137 pp. 1243-1246 DOI: 10.1126/science.1232380
http://www.sciencemag.org/content/340/6137/1243.abstract

Perspective Neuroscience Illuminating the Neural Circuitry of Compulsive Behaviors
Scott L. Rauch and William A. Carlezon Jr.
Science 7 June 2013: 1174-1175.
http://www.sciencemag.org/content/340/6137/1243.abstract

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【脳】マウス視覚野の第6層のニューロンを光遺伝学の手法で選択的に興奮・抑制させ視覚情報処理の積み上げを解明
http://anago.2ch.net/test/read.cgi/scienceplus/1330913135/-100
2名無しのひみつ:2013/06/13(木) 22:15:48.15 ID:epFPhKV1
毛根に対する強力な自己抗体だって!?
3名無しのひみつ:2013/06/13(木) 22:21:07.96 ID:4tW1Mp8v
是非ネトウヨ脳を調べてください。
なるべく早く。
4名無しのひみつ:2013/06/13(木) 23:39:02.86 ID:XCfv9eAO
光遺伝学とはまた面妖な。
5名無しのひみつ:2013/06/14(金) 08:33:37.99 ID:7O/sC+cI
意味合いとしては「光遺伝子学」なのかな?
6名無しのひみつ:2013/06/14(金) 22:59:43.44 ID:fxNL7gdK
光遺伝学はoptogeneticsの直訳だけど、光学的遺伝子工学と言ったほうがピンとくるな
7名無しのひみつ:2013/08/11(日) 18:14:17.38 ID:2sCros4i
脳の機能障害の研究も随分進んでるんだな―。あんな複雑なものがこんなに詳細に研究できるとは
8名無しのひみつ
>>3
9条信徒が先だ