【微生物】“細胞死”を阻止する赤痢菌の巧妙戦術を解明/東大

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1一般人φ ★
腸管の粘膜上皮細胞には、病原微生物が侵入して感染すると、免疫反応によって炎症を起こしたり、感染した細胞を
自殺(細胞死)させて除去するなどして、からだ全体を守る仕組みがある。ところが赤痢菌は細胞内に侵入すると、
特異的な物質を分泌して「細胞死」を抑制し、感染した細胞を生き永らえらせている。東京大学医科学研究所の
小林泰良(たいら)学術支援専門職員や笹川千尋名誉教授らは、その原因物質と仕組みを特定した。
赤痢菌は自分の増殖や感染拡大の足場を確保するために、宿主の細胞死を阻止しているとみられる。こうした赤痢菌の
巧妙な戦略が、赤痢菌だけでなく、その他の細菌感染症や敗血症などに対する新薬開発の手掛かりになるかもしれないという。


細胞死は、生体細胞内にある数種類の「カスパーゼ」と呼ばれるタンパク質分解酵素が関係して、引き起こされる。
赤痢菌は数種類の病原因子「エフェクター」をもち、これを粘膜上皮細胞内に注入して感染するが、
どのようなエフェクターがカスパーゼに関わり、どのような仕組みで細胞死を抑制するのかは不明だった。


研究グループは、エフェクターを“作らない”変異体の赤痢菌を見つけようと複数の菌株を調べ、「OspC3」エフェクターを
作るべき遺伝子のない赤痢菌を見つけた。この遺伝子欠損菌を腸管上皮細胞に感染させると、2-4時間後という短時間で
著しく細胞が傷害され、電子顕微鏡でも細胞膜の傷害の様子が観察された。モルモットを使った実験でも、
この菌によって腸管上皮細胞に細胞死が起き、出血を伴う組織破壊が見られたほか、粘膜組織中の赤痢菌数が減少したことも確認された。


さらに「OspC3」は、いくつかあるカスパーゼのうちの「カスパーゼ4」に特異的に結合して、カスパーゼ4本来の
タンパク質分解の働きを抑え、細胞死を阻止することが分かった。


カスパーゼ4が関係する細胞死は、赤痢菌以外の腸管病原性細菌であるサルモネラと腸管病原性大腸菌の
感染細胞でも観察されたことから、カスパーゼ4が引き起こす細胞死は、宿主細胞による病原体排除のための共通した
機構と考えられる。さらにカスパーゼ4の敗血症への関与も最近注目されており、これらの細菌感染症や敗血症に
対する特異的阻害薬の開発が期待さるという。


▽記事引用元 サイエンスポータル(2013年5月29日)
http://scienceportal.jp/news/daily/1305/1305291.html


▽東京大学プレスリリース
http://www.u-tokyo.ac.jp/public/public01_250516_j.html

▽Cell Host & Microbe
「The Shigella OspC3 Effector Inhibits Caspase-4, Antagonizes Inflammatory Cell Death, and Promotes Epithelial Infection」
http://www.cell.com/cell-host-microbe/abstract/S1931-3128(13)00155-8
2名無しのひみつ:2013/05/31(金) 00:40:31.76 ID:zUx6C9ev
OspC3を脳みそに打ち続けたらボケなくなるん?

はやくTウィルスできねえかなあ
3名無しのひみつ:2013/06/01(土) 11:38:53.57 ID:qp15Qhvg!
> この遺伝子欠損菌を腸管上皮細胞に感染させると、2-4時間後という短時間で
> 著しく細胞が傷害され、電子顕微鏡でも細胞膜の傷害の様子が観察された。
> モルモットを使った実験でも、この菌によって腸管上皮細胞に細胞死が起き、出血を伴う組織破壊が見られたほか、
> 粘膜組織中の赤痢菌数が減少したことも確認された。

たとえ菌の数が少なくても症状が激しければ治療に役立たないような
4名無しのひみつ:2013/06/01(土) 21:48:59.16 ID:YIgvaBgf
>>2
なんでゾンビに成りたいんだ?
5名無しのひみつ:2013/06/09(日) 03:17:45.47 ID:W8uhV3E2
>>3
そこらへんは適当だよ。
この人たちは病原菌と細胞周期の関わりを知りたいだけだから。
そもそもエフェクターは、3型もしくは4型に分類される(赤痢は3型)(ピロリは4型)、
たんぱく質分泌機構を介して目的細胞に注入されるが、
大元の3型分泌装置の阻害剤作ればいいだけの話。

ターゲットは針先のたんぱく質トランスロコンでも
駆動力のエネルギー源となるATPaseでも何でもいい。

ただそれやると、もうこの先仕事がないからね。
小難しいこと言って、みんなで画期的だ!と言い合ってるだけどよ。
もう10年以上やってるよ、こういうこと。
6名無しのひみつ:2013/06/09(日) 13:11:38.57 ID:W8uhV3E2
ふと思いついてまとめ。
赤痢菌
 外毒素見当たらず。3型分泌で色々やってるってことで決着。
ピロリ菌
 外毒素VacAと、4型分泌から出て来るCagAとで決着。ウレアーゼが胃内生存に重要。
サルモネラ
 3型分泌。プラスミド上に乗っかってる。
腸管病原性大腸菌(O157とか)
 結局のところ、ベロ毒素。他はクソ。

標的分子や機構
 細胞周期、計画的細胞死(アポトーシス)、自食作用(オートファジー)、自然免疫(中でもTLR関係)、
アクチン、ミオシン、カドヘリン、カスパーゼ(キャスペース)、NF-kB

ここらへんを掛け合わせれば、何十種類も組み合わせることができるから、注射器みたいな分泌システムで、
まだまだかなり食い繋げられるね。
だけど、ノーベル賞は無理じゃないかな。
相当量の材料かき集めてるけど、治療に役立てるとかコンセプトもできてないでしょ。

誰か来たようだ。
7名無しのひみつ:2013/07/16(火) 15:12:17.45 ID:X+mgXWu6
【医学】生体内で死んだ細胞を処理するために目印をつけるタンパク質を発見/京都大
http://anago.2ch.net/test/read.cgi/scienceplus/1373647270/1,15
8名無しのひみつ
死なないけど、
間違った機能を持ったまま生きながらえるって、苦痛だよな。
脳細胞なら、脳の機能低下しながら、体が不死だと、まるでゾンビ。