【感染症】HIV-1感染患者の血清中にあるどの抗体がウイルスを中和できるかを予測できるアルゴリズムを開発

このエントリーをはてなブックマークに追加
1科学ニュース+板記者募集中!@pureφ ★
抗体特異性はワクチンデザインに有望である
Antibody Specifics Hold Promise for Vaccine Design

HIV感染患者の血清中にあるどの抗体がウイルスを中和できるかを予測できるアルゴリズムが開発された。

感染患者の血清は多クローン性、すなわち多種多様な抗体を含んでいる。一部の抗体は特定のウイルスの
幅広い株を中和できるが、他の抗体は中和できない。どの抗体がこのような幅広い中和活性を持つか推定
することは困難である。

今回、Ivelin Georgievらは、HIV-1を用いてこの問題に光を当てた。GeorgievらがHIV-1を選択したのは、
幅広い中和抗体に感受性を示すことが知られている4つの部位しか持たず、このような抗体を含む血清は
容易に識別できる中和パターンを示すためである。

Georgievらは、抗体を34種類のHIV-1株と混合し、得られた中和パターンを評価した。この解析により、
30種類の中和フィンガープリントが同定された。その一部は非常に特異的で、異なるエピトープ(ウイルスの
抗原の表面にある小さな部分)を標的とした抗体を区別することができた。

Georgievらがデザインした特別なアルゴリズムによって、これらのフィンガープリントを用いて、24例のHIV-1
感染ドナー由来の血清の多くの血清パターンから、中和抗体を見つけ出すことができた。

Georgievらの研究は、ウイルスに対する抗体反応を、詳細にエピトープ特異的に理解できるようにし、抗体
反応の分子的・構造的基礎の定義に有用である。

この研究は、HIVに対する新しいワクチンデザインへの道を拓くかもしれない。

James Crowe Jr.によるPerspectiveに、これらの知見の意義に関する追加の見識を示す。

Science 2013年5月10日号ハイライト
http://www.eurekalert.org/pub_releases/translations/sci051013jp.pdf

ヒト免疫不全ウィルス(HIV-1)単離株の中和パターンを用いたポリクローナル血清中における抗体認識の詳述
Delineating Antibody Recognition in Polyclonal Sera from Patterns of HIV-1 Isolate Neutralization
Ivelin S. Georgiev, Nicole A. Doria-Rose, Tongqing Zhou, Young Do Kwon, Ryan P. Staupe, and 20 more
Science 10 May 2013: Vol. 340 no. 6133 pp. 751-756 DOI: 10.1126/science.1233989
http://www.sciencemag.org/content/340/6133/751.abstract

Perspective: Crowdsourcing Immunity
James E. Crowe Jr.
Science 10 May 2013: 692-693.
http://www.sciencemag.org/content/340/6133/692.summary

関連ニュース
【医療】抗HIV試験ワクチンを投与してもAIDSに感染したので臨床研究中止 /アメリカ 画像あり
http://uni.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1367040492/-100
【疫学】母乳のみで4ヵ月以上授乳すると、母乳中のHIV濃度が低くなる
http://anago.2ch.net/test/read.cgi/scienceplus/1366761580/-100
【医療】HIV感染で生まれた乳児の治癒に初めて成功、米チーム
http://anago.2ch.net/test/read.cgi/scienceplus/1362407996/-100
【疫学】HIVに対する抗逆転写ウイルス療法は費用に見合う価値がある…パートナーへの伝染が96%低下し平均余命が11.3年延長
http://anago.2ch.net/test/read.cgi/scienceplus/1361654028/-100
【感染症】HIV感染者、高麗人参でエイズ発症を抑制/韓国・蔚山医大ソウル峨山病院
http://anago.2ch.net/test/read.cgi/scienceplus/1355525999/-100
【感染症】HIVなどの免疫・感染症疾患に対する新たな御法の可能性を発表/東北大 画像あり
http://anago.2ch.net/test/read.cgi/scienceplus/1352730129/-100
2名無しのひみつ:2013/05/12(日) 00:13:48.35 ID:FV1Qnj4a
('仄')パイパイ
3名無しのひみつ:2013/05/12(日) 12:54:47.67 ID:U8QKoaxa
この手の話題は定期的に挙がるな。
まあ今回もまた不毛に終わるのでしょうね。
4名無しのひみつ
HIVに対する抗体をHIV感染者から取ってくるということか
他の動物にHIV注射して抗体作らせるよりは効率良いのかな