"加糖炭酸飲料を毎日飲むと…糖尿病リスク上昇"
1日1杯の加糖炭酸飲料で、糖尿病になるリスクが高まることがわかった。
たった350ミリリットルほどの加糖炭酸飲料を毎日飲むと、一般的な糖尿病である2型糖尿病になりやすくなるとの研究結果が
欧州糖尿病学会誌「Diabetologia(ダイアビートロジア)」で発表された。
英インペリアル・カレッジ・ロンドンの研究者、ドラ・ロマグエラ氏らによる今回の研究では、
砂糖の摂取が体重増加と糖尿病の両方に影響を与えるという証拠を収集。糖尿病の蔓延(まんえん)や関連疾患を抑制しようとする
公共政策論議をヒートアップさせる結果となっている。
加糖飲料を摂取すると血糖値とインスリン分泌量が急上昇し、インスリンの機能低下を招くという。これが糖尿病を引き起こすメカニズムの1つだ。
ロマグエラ氏は「多くの人々が加糖飲料の危険性に無頓着なのは、憂慮すべきこと」と語った。
研究では果汁飲料、濃縮果汁飲料、加糖炭酸飲料、人工甘味料入り飲料それぞれの消費量データを、
がんと食物などの関連性を調べる「欧州がんと栄養予測調査(EPIC)」プロジェクトに参加する8つの患者団体を対象に集めた。
総エネルギー摂取量や体格指数(BMI)なども考慮して結果を調整すると、1日1杯の加糖炭酸飲料で2型糖尿病にかかるリスクが18%高まることがわかった。
たとえ太らなくてもリスクが高まることに変わりはないという。
人工甘味料入り飲料の場合は、BMIを考慮すると糖尿病との関連性は見られず、また希釈され添加物を含んだ天然果汁飲料、
濃縮果汁飲料および果汁飲料には糖尿病との大きな関連性は見られなかった。
地球規模でのライフスタイルの変化は糖尿病の増加を促しており、国際糖尿病連合(IDF)によると
糖尿病患者は2030年までに世界で5億5200万人にほぼ倍増すると予測されている。
2型糖尿病は肥満や運動不足の結果、中年になってから発症することが多い。
米ニューヨーク市は今年3月、加糖炭酸飲料の販売規制計画を否決する判決に異議を申し立てた。
同市保健委員会はこの計画を承認しており、「消費者には選ぶ自由がある」とするレストランや飲料メーカーなどの主張を退けている。
対策に乗り出した企業もある。英製薬会社グラクソ・スミスクラインは、飲料ビジネスを売りに出す計画を発表した。
画像
http://www.sankeibiz.jp/images/news/130510/cpd1305100500000-p1.jpg Sankei Biz 2013.5.10 05:00
http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/130510/cpd1305100500000-n1.htm