乳がんと卵巣がん、それに前立腺がんにつながる可能性のある遺伝子の配列を、イギリスや日本などの
国際共同研究チームが特定し、がんになるリスクを事前に診断するうえで新たな指標になると期待されています。
この研究は、イギリスのケンブリッジ大学や名古屋市にある愛知県がんセンターなど、
世界34か国の100以上の研究機関が共同で行い、27日、欧米の科学誌で一斉に発表されました。
それによりますと、研究チームは合わせて20万人の遺伝情報、いわゆる「ゲノム」を解析した結果、
乳がんと卵巣がん、それに前立腺がんにつながる可能性のある遺伝子の配列を特定したということです。
がん患者などの遺伝子を調べたところ、健康な人のものと比べて配列が一部異なっており、
少なくとも、乳がんで41か所、前立腺がんで23か所、卵巣がんで2か所で特徴的な配列があったとしています。
研究チームは、今回特定した遺伝子の配列が見つかったとしても、それだけでこれらのがんになると
決まったわけではないとしていますが、がんになるリスクを高めているとみています。
研究チームによりますと、こうした遺伝子の配列は、これまでも見つかっていますが、
今回の研究で、その数は2倍に増えたということで、健康な人ががんになるリスクを事前に診断するうえで
新たな指標になると期待されています。
ソース:NHK(3月28日 9時25分)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130328/k10013501251000.html 関連リンク:nature geneticsに掲載された論文
「Multiple independent variants at the TERT locus are associated with telomere length
and risks of breast and ovarian cancer」(英語)
http://www.nature.com/ng/journal/v45/n4/full/ng.2566.html