多発性硬化症(MS)の発症メカニズムを解明
〜発症に関わる病原性T細胞の機能を抑制することに成功〜
独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター(東京都小平市 総長:樋口輝彦)神経研究所(所長:坂新一)の
免疫研究部部長 山村隆、同室長 大木伸司およびベン・レイバニー研究員らの研究グループは、日本において患者数が
急速に増加しつつある多発性硬化症(MS)の新しい治療法の開発につながる発症メカニズムの解明と病態改善の手がかりを
発見しました。
山村らの研究グループはこれまでに、多発性硬化症(MS)の炎症を引き起こすサイトカイン(インターロイキン17:IL-17)の分泌に
「NR4A2」というタンパク質がかかわっていることを明らかにしてきましたが、この度の研究では、この炎症性サイトカイン(IL-17)の
産生がNR4A2によって制御されるメカニズムを解明するとともに、生体内におけるNR4A2の機能を抑制することにより病態を顕著に
改善できることを明らかにしました。
今回の研究によって、炎症を起こすサイトカイン発現に至るメカニズムを解明し、それを制御するタンパク質を特定できたことは、
化学的に安定した薬を開発する上で極めて意義ある研究成果と言えます。
今後、病原性T細胞を標的としたMSの新しい治療法の開発へとつながるものです。
この研究成果は米国科学雑誌「PLoS ONE(プロスワン)」オンライン版で、
2013年2月22日(報道解禁日時:米国太平洋標準時2月21日午後2時)に掲載されました。
(*** 引用ここまで 全文は引用元でご覧ください ***)
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▽記事引用元 独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター
http://www.ncnp.go.jp/press/press_release130222.html ▽関連
PLOS ONE
Nuclear Receptor NR4A2 Orchestrates Th17 Cell-Mediated Autoimmune Inflammation via IL-21 Signalling
http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0056595