【生物】ひなが誕生直後に親鳥の姿を覚える「刷り込み」 脳内の甲状腺ホルモン濃度上昇が引き金/帝京大など

このエントリーをはてなブックマークに追加
1白夜φ ★
<「刷り込み」、ホルモンが引き金=通常の学習能力にも影響−帝京大など>

鳥のひなが誕生直後に親鳥の姿を覚える「刷り込み」が、脳内の甲状腺ホルモン濃度上昇で引き起こされることが、
帝京大と北海道大の研究で分かった。
生後一定の時期にホルモンの濃度上昇が起きると、刷り込み以外の学習効率の向上効果はその後継続することも判明。
論文は25日付の英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに掲載された。
 
刷り込みは、誕生から一定の期間(臨界期)を過ぎると起こらないとされ、刷り込みや臨界期を決めるメカニズムは分かっていなかった。
 
帝京大薬学部の本間光一教授(脳科学)によると、臨界期がふ化後2、3日とされるニワトリを使った実験で、
期間内に刷り込みが始まると、脳内の血管に甲状腺ホルモンが急速に流入。
神経細胞の受容体に結合し、約30分間の短期間に反応を引き起こしていた。
 
一方、ふ化後視覚的刺激を与えず、刷り込みが起きないようにすると、脳内の甲状腺ホルモン濃度は一定のレベルに達せず、
その後に刷り込み学習をさせようとしても、臨界期を過ぎており、できなかった。
 
ところが、臨界期を過ぎたひなに甲状腺ホルモンを注射すると、刷り込みが可能になった。
脳内の甲状腺ホルモンの濃度は、すぐに平常値に戻るが、一度刷り込みが終わったひなは、その後の学習能力も高く、
甲状腺ホルモンが脳に何らかの変化をもたらしている可能性が高いことも分かった。(2012/09/26-00:15)
______________

▽記事引用元 時事ドットコム
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012092600011

▽関連
Nature Communications
Thyroid hormone determines the start of the sensitive period of imprinting and primes later learning
http://www.nature.com/ncomms/journal/v3/n9/full/ncomms2088.html
http://www.nature.com/ncomms/images/homepage_20120925.jpg