【エネ/ナノ】MIT、近赤外光で発電できるカーボン(SWNT+C60)太陽電池を開発

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MIT、近赤外光で発電できるカーボン太陽電池を開発

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シリコン表面に成膜された単層CNTの原子間力顕微鏡画像 (Photo: Rishabh Jain et al)

マサチューセッツ工科大学(MIT)が、炭素材料だけで光電変換層を構成するカーボン太陽電池を開発
したとのこと。太陽光に含まれる近赤外光はエネルギーが低く、従来のシリコン太陽電池では電気に変換
することができなかった。地上に到達する太陽光の波長(※原文ではエネルギー)のうち40%程度は近赤
外の領域にあるため、これを発電に使えるようになれば、太陽光エネルギーの有効利用拡大につながると
考えられる。今週発行のAdvanced Materialsに論文が掲載されている。

今回のカーボン太陽電池は、カーボンナノチューブ(CNT)とフラーレンC60だけで構成されている。CNTを
使った太陽電池はこれまでにも報告があるが、CNTの支持体として、またCNTの光電変換によって生成
された電子を電気エネルギーとして取り出すために、高分子層が使われていた。このため製造プロセスが
複雑になり、高分子層が空気に曝されて劣化するのを防ぐための特殊なコーティングも必要だった。これに
対して、炭素材料だけでできている今回のカーボン太陽電池は空気中でも安定であるという。

カーボン太陽電池が可能になった理由の1つとして、ここ数年でCNTの高純度化技術が進展したことが
上げられる。研究チームのメンバー Rishabh Jain氏へのメール取材によると、今回のカーボン太陽電池で
使われているCNTはすべて半導体型の単層CNTであり、さらにCNTの巻き方についても、電子的特性が
同じになる2つの対称的な巻き方(右巻きと左巻き)のうち、どちらか一方に揃えた状態で巻かれているという。

異なる巻き方が入り混じったヘテロジニアスなCNTや、単層CNTと多層CNTが混在した材料では変換
効率が上がらないか、太陽電池としてまったく機能しないことが分っている。CNTの組成を均質(ホモジニ
アス)にすることで、光電変換機能を持つカーボン太陽電池が可能になったと考えられる。

カーボン太陽電池と従来のシリコン太陽電池を積層したタンデム構造にすることで、太陽光に含まれる
ほとんどすべての波長の光を電気エネルギーに変えることができるようになる。CNTの光吸収性が極めて
高いため、太陽電池の作製に使われる高純度CNTは比較的少量で済み、完成品を非常に軽量化
することができる。

カーボン太陽電池の変換効率は現状では0.1%と低く、コンセプトを実証した段階にとどまっているが、
変換効率を上げていくための開発方針はすでに分っているとのこと。研究チームでは現在、カーボン層の
形状や膜厚をより精密に制御する方法などを研究しているという。他の研究グループにも協力を呼びかけ、
変換効率の向上をめざすとしている。

ただし、チームリーダーのMIT 化学教授 Michael Strano氏は、既存の太陽電池で使われていない近
赤外領域の波長を利用できることから、変換効率の低い現状のカーボン太陽電池であっても低コストで
あるかぎり利用価値はあると指摘している。

SJN Blog 再生可能エネルギー最新情報 2012年6月22日
http://sustainablejapan.net/?p=1803
All-carbon solar cell harnesses infrared light
David Chandler, MIT News Office
http://web.mit.edu/newsoffice/2012/infrared-photovoltaic-0621.html
Advanced Materials
http://onlinelibrary.wiley.com/journal/10.1002/%28ISSN%291521-4095
※原著論文を発見できなかったので精製法などの細かいことがわかりませんでした。

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2名無しのひみつ:2012/06/27(水) 12:31:31.66 ID:WeftT5YD
早口言葉みたいな名前しやがってまさちゅーせっちゅ
3名無しのひみつ:2012/06/27(水) 12:54:03.44 ID:xQWU8EQ/
近赤外なら太陽電池より熱電変換で電気作ったほうがいいんちゃう
4名無しのひみつ:2012/06/27(水) 14:40:56.84 ID:hDswtH72
無限機構か
5名無しのひみつ:2012/06/27(水) 15:06:50.84 ID:ybnlbZj6
>>2
確かに鳥そぼろ丼ぐらいいいにくよな( ・ω・)y─┛〜〜
6名無しのひみつ:2012/06/27(水) 17:06:48.49 ID:ccZtsoJL
>>1
この写真なんで赤いの?
炭素なら黒いはず
7名無しのひみつ:2012/06/27(水) 17:36:31.85 ID:HIY3a6nG
>>3
熱電変換は温度差がないと。
これは温度差無しでOK。
8名無しのひみつ:2012/06/27(水) 18:22:54.95 ID:F75+SeTz
ホモ天才
9名無しのひみつ:2012/06/27(水) 22:32:12.47 ID:N6ThqKZJ
>>6
ソフトウェアがこの色を使う。本来は高さの情報だけだから白黒でもいいんだけど。
10名無しのひみつ:2012/06/27(水) 22:54:18.84 ID:VAvA7nNG
11名無しのひみつ:2012/06/27(水) 22:56:06.18 ID:PKFYdURj
>>3
可視光も赤外光も、両方とも電気に変えるんだろ。


12名無しのひみつ:2012/06/28(木) 08:28:28.96 ID:6j/NJKLe
>>10
これ金属型は緑、半導体型は赤で
混ぜると黒くなるってこと?
13名無しのひみつ:2012/07/02(月) 16:26:41.33 ID:BRoLSLZm
ロンドンのテムズ川には、太陽電池で動く船が実用化されているよ。
たぶん、今回のオリンピックで、その存在を誇示するんじゃないかな?
14名無しのひみつ:2012/07/02(月) 18:10:00.18 ID:ejVch/Fp
>>12
濃度にもよるよ。
濃くなると、分子同士の間でエネルギーをやり取りして吸収帯が変わる。
(バスクリンが粉のときはオレンジ色なのに、水に溶かすと緑になるのと似ている)
15名無しのひみつ:2012/07/02(月) 19:37:14.84 ID:xTtHj4+K
太陽熱温水器を見るに、アレだけ水を温めることが出来るんだから
赤外線のエネルギーが低いとは思えないんだけどなぁ
16名無しのひみつ:2012/07/02(月) 19:46:30.55 ID:lH/oqUXu
>>7
太陽電池はある程度冷却してないとまともに発電してくれないよ

>>15
赤外線の光子のエネルギーは低いが光子の数が多く、エネルギーの総量は多い。
ショットガンでいくら弾をばらまいても抜けない鉄板でもスナイパーライフルなら抜ける。
今回はショットガンの弾でも抜ける板を開発したってこと
17名無しのひみつ:2012/07/03(火) 01:59:24.95 ID:Ux+tTG9m
>>14
バスクリンの色が変わるのってそういうことなんだ。
水と反応して変色してるんだと思ってた。
18名無しのひみつ:2012/07/03(火) 03:24:34.69 ID:9EsLN3HQ
効率低くてお値段も高い。もうすこしがんばりましょう。
19名無しのひみつ:2012/07/03(火) 19:59:59.25 ID:KYTeMure
次世代太陽電池、官民で共同開発 パナソニックやカネカなど
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFB02004_S2A700C1EB2000/
 パナソニックとカネカ、三菱電機などは文部科学省、経済産業省などと共同で次世代太陽電池を開発する。
東京工業大の新技術を活用し、高い効率と低コストを両立させるのが狙い。国際競争で劣勢になっている
日本の太陽電池産業の復活をめざす。 東工大の小長井誠教授が開発 ...
20名無しのひみつ:2012/07/03(火) 23:03:46.62 ID:cs17LzFH
>>16
なるへそ。
赤外線以下の長波光領域は、光電変換ではなく、CNTや微細な金属や半導体を用いた、超小型アンテナ構造で攻めてもいい希ガス。
21名無しのひみつ:2012/07/04(水) 22:34:30.54 ID:XP2McmvP
波長変換材料を使うという方法もある。
赤外線→波長変換材料→半分の波長をもつ可視光線2本分
22名無しのひみつ:2012/07/05(木) 22:21:16.19 ID:s3Msxbmz
>>21
何か変な気がする
23名無しのひみつ:2012/07/05(木) 23:36:41.21 ID:pVfOkk4V
>>16
温度依存性はシステムによるんじゃないのかな
24名無しのひみつ
>>16 >>23
結晶シリコンよりアモシリ薄膜太陽電池のほうが熱に強いと聞いたことがある。
赤道直下の砂漠地帯で使うとアモシリのほうが変換効率良くなるらしいよ。