【構造生物】キノコで発見された凍結から身を守るタンパク質 分子構造と不凍機能のメカニズムを解明/産能研

このエントリーをはてなブックマークに追加
1依頼29-236@白夜φ ★
【 2012年5月30日 キノコで発見された凍結から身を守るタンパク質 】

氷点下の寒冷環境にすむ生物は、自分の体や細胞が凍らないようにする特殊なタンパク質(不凍タンパク質)を作っている。
産業技術総合研究所の生物プロセス研究部門の津田栄主任研究員や合成生物工学研究グループの近藤英昌主任研究員らは、
北海道大学や理化学研究所、カナダのクイーンズ大学と協力して、寒冷地に生息するキノコが生産する不凍タンパク質の
立体構造を明らかにし、同タンパク質が氷の結晶に吸着して成長を阻害するメカニズムを解明した。

このキノコは80年ほど前に、北海道の石狩平野で発見された「イシカリガマノホタケ」。
積雪下の牧草類や小麦などの植物の上で生育する代表的な好冷性生物だという。研究チームは、このキノコが生産する
不凍タンパク質(Tis不凍タンパク質)の単結晶を作成し、大型放射光施設SPring-8を用いたX線結晶構造解析法によって
立体構造を決定した。

その結果、Tis不凍タンパク質は、これまで知られている魚類や野菜などの不凍タンパク質とは異なり、
6段の「らせん階段」のような独特の分子骨格をもっている。下の段になるほど膨らんでいるので、全体は洋ナシのような形をしている。

さらにTis不凍タンパク質の表面の一部は平面になっており、複数の溝(みぞ)ができている。
その溝の中にいくつもの水分子が不規則に並んで埋もれていて、この平面部分が氷の表面に接することで、
溝の水分子がそのまま氷の一部となり、Tis不凍タンパク質と氷が強く結びつくことなどが分かった。

不凍タンパク質は、0℃以下となる環境温度の低下によって細胞内にできはじめた氷の粒子の表面に強く吸着して、
氷が大きく成長するのを抑制し、細胞が凍るのを防いでいる。Tis不凍タンパク質は、六角柱をした氷の結晶の側面
だけでなく上下面にも吸着するので、氷の結晶の成長を強力に抑制し、魚類の不凍タンパク質の約5倍の不凍能力をもつという。

イシカリガマノホタケは大量培養が可能なので、これまでの不凍タンパク質よりも安価にTis不凍タンパク質を生産することが出来る。
今回の研究成果により、食品や細胞を安定的に冷凍保存する技術の進展が期待されるという。
_________________

▽記事引用元 SciencePortal
http://scienceportal.jp/news/daily/1205/1205301.html

▽関連スレ
*産能研 2012年5月29日 発表
キノコの不凍タンパク質の分子構造と不凍機能のメカニズムを解明
−強力な不凍機能をもつタンパク質をキノコが生産−
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2012/pr20120529/pr20120529.html
*PNAS
Ice-binding site of snow mold fungus antifreeze protein deviates from structural regularity and high conservation
http://www.pnas.org/content/early/2012/05/23/1121607109.full.pdf+html

*ご依頼いただきました。
2南沢木綿子 ◆CNZtzBroyhrb :2012/05/31(木) 12:36:02.47 ID:bpTXmo56
  ∧,,,∧ 
 (  ・∀・) ほー それで
  (  : ) 
  し─J
3名無しのひみつ:2012/05/31(木) 12:37:44.37 ID:NqIV/oFP
>>1
さんのうけんってなんだよ?産総研だべ
4名無しのひみつ:2012/05/31(木) 12:41:11.93 ID:4Y6uJt1k
キノコパワー
5名無しのひみつ:2012/05/31(木) 12:42:47.47 ID:PJEbYx7b
メカニズムを解明は
よくよく調べればってだけの話でしょう?
6白夜φ ★:2012/05/31(木) 12:56:48.28 ID:???
>>3
ご指摘どうもありがとうございました。

1&スレッドタイトルを下記のように訂正させていただきます。申し訳ありませんでした。
スレッドタイトル
誤:【構造生物】キノコで発見された凍結から身を守るタンパク質 分子構造と不凍機能のメカニズムを解明/産能研
正:【構造生物】キノコで発見された凍結から身を守るタンパク質 分子構造と不凍機能のメカニズムを解明/産総研

>>1
誤:*産能研 2012年5月29日 発表
正:*産総研 2012年5月29日 発表
7名無しのひみつ:2012/05/31(木) 13:04:31.27 ID:M9HtLv8x
よっしゃー

これでシベリア戦線を有利に戦えるぜよ
8名無しのひみつ:2012/05/31(木) 13:12:20.02 ID:FNuR+r6F
これを水に溶かしたら、凍らない水の完成?
9名無しのひみつ:2012/05/31(木) 13:21:34.59 ID:ua5bDWlG
このタンパク質を遺伝子に組み込んだキノコ朝鮮人を養殖し、中国北東部やロシアに大量に放ってみたい。
10名無しのひみつ:2012/05/31(木) 13:32:07.16 ID:BM8kQF/O
>>8
いや巻き込んで凍ると思う
11名無しのひみつ:2012/05/31(木) 16:34:26.63 ID:sDEwDdgX
ゆっくり凍らせたら氷はできにくいんじゃなかった?
12名無しのひみつ:2012/06/01(金) 01:00:39.87 ID:v4iXAtUr
ついにコールドスリープが
13名無しのひみつ:2012/06/01(金) 01:09:50.40 ID:d/Qa1nES
>>4
キノコパワー
14名無しのひみつ:2012/06/01(金) 01:46:51.42 ID:4C+eCrNy
絶対耐寒フィンランド人並のボディに
15名無しのひみつ:2012/06/01(金) 10:40:44.21 ID:Iv0qYeqI
じゃあフィンランド人から抽出すればいいじゃん
培養も(…
16名無しのひみつ:2012/06/01(金) 11:25:07.72 ID:LnYjyZ6y
コールドスリープの技術に応用出来たら人間は不死に成れるかも
17名無しのひみつ
【食品】カネカ、不凍タンパク質を冷凍麺向けに販売、関西大と共同開発
http://anago.2ch.net/test/read.cgi/scienceplus/1331560457/

【食品】カネカ、不凍タンパク質を冷凍麺向けに販売 関西大と共同開発[12/03/12]
http://anago.2ch.net/test/read.cgi/bizplus/1331613590/


カネカ、不凍タンパク質の冷凍麺市場での販売を開始
http://www.nikkan.co.jp/newrls/rls20120313o-17.html

新たに不凍タンパク質の市場展開を本格化 まず冷凍食品の冷凍障害防止をターゲットに市場開発
http://www.kaneka.co.jp/service/news/n091116.html
カイワレ大根由来不凍タンパク質の実用化
http://www.kansai-u.ac.jp/global/guide/pressrelease/2011/No33.pdf

解凍食品、うま味・食感守れ 「不凍たんぱく質」応用進む
http://www.nikkei.com/access/article/g%3D96959996889DE6E2EBE0E2EAE5E2E0EAE2E6E0E2E3E09F88EBE2E2E2
 解凍するとベチャベチャして味がいまいち――。凍らせた食品をめぐるこんな印象を払拭できそうな新素材が登場した。
「不凍たんぱく質」と呼ぶ物質で、植物や南極の魚が凍結から身を守るのに使う。冷凍食品に加えると食材がスカスカ
になるのを防ぎ、解凍後の食味が上がる可能性がある。どんな仕組みなのか。

 小瓶の液体から、ほんのり甘い香りがする。
「この黄色い液体の中にカイワレ大根から抽出した不凍たんぱく質がはいっている」。
カネカのフロンティアバイオ・メディカル研究所の荒井直樹さんが説明してくれた。
「食品会社など20社を超える企業から問い合わせがある」(カネカ)。いま話題のたんぱく質だ。
  ・・・
 不凍たんぱく質はカイワレ大根やニンジン、麦などのほか、南極にいる魚やカエル、昆虫からも
見つかっている。構造は生物によって異なるが、凍結の抑制が役目の一つのようだ。
  ・・・
 食品が含む水は零下になると氷の結晶になる。結晶は徐々に成長して大きくなる。食品を構成する
細胞の膜は結晶に押されて傷つく。長期間凍らせた肉を解凍すると赤い汁がしみ出るのは
こうした現象による。
 不凍たんぱく質は氷の成長を妨げる。たんぱく質の構造が、氷結晶と結合する形になっている。
凍り始める0度近辺で氷結晶とくっつく。本来なら氷の結晶や氷分子がつながる部分にたんぱく質が
ふたをしてしまうので、氷の結晶が大きくならない。内部の組織が傷みにくく、変形も少ない。
  ・・・
 不凍たんぱく質の役割は2つあると考えられている。魚などは氷の結晶が大きくなることを妨げ、
体を壊さないようにして低温でも生き抜いていけるようにしている。
 一方、植物は乾燥に耐えるためにも使う。植物にとって乾燥は低温と同じくらい生存するうえで
脅威となる。不凍たんぱく質は、体内の水分が氷として外に出ないように囲い込む。体内から
水分が失われる状態を防ぐとみている。
  ・・・
 ユニークなのがアイスクリームに不凍たんぱく質を混ぜた米国の例だ。
…同たんぱく質には別の働きがあった。氷の結晶が育つのを妨げるほか、氷結晶に結合して
安定な状態にすることから、溶け出す温度を引き上げるという特徴もある。・・・
米国では遺伝子組み換え技術を駆使してつくった不凍たんぱく質を使っている。
  ・・・

不凍たんぱく質、魚や植物・昆虫の体に
http://www.nikkei.com/news/headline/related-article/g%3D96958A9C889DE6E2EBE0E3E2E0E2E0EAE2E6E0E2E3E09F88EBE2E2E2%3Bbm%3D96958A9C889DE6E2EBE0E2EAE5E2E0EAE2E6E0E2E3E09F88EBE2E2E2
 1971年、海外の研究グループが南極に生息するノトセニア科の魚の血液中に不凍たんぱく質が存在する
ことを米科学誌サイエンスに発表した。その後、90年代にカラスムギや冬ライ麦などの植物のほか、
菌類や細菌類からも発見された。現代は昆虫のほかカエルにもあることが知られている。