【物理】軸・スピンの向き指定可能な酸素分子ビーム開発 分子軸が表面に殆ど平行な酸素分子のみがシリコン酸化反応に寄与−物材機構

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物材機構、軸・スピンの向き指定可能な酸素分子ビーム開発

 物質・材料研究機構は26日、分子の向きを表す軸(分子軸)とスピンの向きを指定できる酸素分子ビームを
世界で初めて開発したと発表した。シリコン酸化反応のメカニズムの解明につながるほか、分子軸やスピン方向を
変えることで酸化反応を制御したり、酸素ビームを使って新しい物質を開発したりするのに役立つ。米物理学会誌
フィジカル・レビューB電子版に詳細を報告した。

 酸素分子は材料開発に不可欠な分子であり、形が球ではない直線分子。スピンが互いに平行方向を向いて
いる2個の不対電子に由来するスピンを持つ。だが、これまで酸素分子の形とスピンが酸化反応にどのように影響
しているのかを実験的に調べることはできなかった。

日刊工業新聞 2012年04月27日
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0720120427eaad.html

分子軸とスピンの向きを指定した酸化反応を世界で初めて実現 シリコン酸化反応のメカニズム解明に貢献

NIMSの極限計測ユニットは、分子軸とスピンの向きを指定できる酸素分子ビームを世界で初めて開発した。

概要

独立行政法人物質・材料研究機構(理事長:潮田 資勝)極限計測ユニット(ユニット長:藤田大介)の
倉橋 光紀主幹研究員と山内 泰グループリーダーの研究グループは、分子軸とスピンの向きを指定できる酸素
分子ビームを世界で初めて開発した。これをシリコン表面の酸化反応に適用し、分子軸が表面に殆ど平行な
酸素分子のみがシリコン酸化反応に寄与することを発見した。

酸素分子は基礎科学、材料開発の殆ど全ての分野において最も重要な分子である。酸素分子は直線
分子という異方的形状を持ち、また2個の不対電子に由来するスピンを持つ。しかし酸素分子の形とスピンが
酸化反応にどのように影響しているのか、実験的に調べることはこれまで不可能であった。またシリコン酸化初期
過程は、熱酸化によるゲート絶縁膜生成過程の理解を目的として詳しく研究されてきたが、特に初期反応
確率が低い原因については不明であった。

倉橋らは、六極磁子による磁場選別法に着目し、分子軸の向きおよびスピンの向きの双方が指定できる
酸素分子のビームを世界で初めて開発した。そしてこのビームをシリコン表面の酸化反応に適用し、酸素分子
軸が表面に対して殆ど平行な分子のみがシリコン酸化反応に寄与していることを突き止めた。シリコン酸化
反応では酸素の分子軸の向きに対する制約が強く、角度条件を満たす一部の分子しか反応できないために、
反応が進みにくいことを証明した。

本研究によって、酸素分子軸の向きとスピンの向きが酸化反応に与える影響を分析する新手法を確立する
とともに、シリコン酸化反応の効率が低い原因を解明することができた。本手法は酸化反応機構の解析のみ
ならず、分子軸あるいはスピン方向制御による酸化反応制御や本ビームを用いた新物質創製に利用できると
期待される。

本研究成果はNIMS第三期中期計画プロジェクト「先端材料計測技術の開発と応用」(リーダー:藤田大介)
ならびに独立行政法人 日本学術振興会の科学研究費助成事業・基盤研究(B)「単一量子状態選別三重
項酸素分子ビームによる表面反応スピン・立体効果の解明」(研究代表者:倉橋 光紀)の一環として得られた。
米国物理学会雑誌Physical Review B (Rapid communication) オンライン版に4月19日に掲載された。

http://www.nims.go.jp/news/press/2012/04/hdfqf1000000sv7l-img/201204260_fig2.jpg
プレス資料中の図3: 磁場による酸素分子の分子軸方向の制御(上)。Si(100)表面への酸素分子吸着確率の
時間変化。制御信号に従って酸素分子軸の向きを変化させると吸着確率が大きく変化する様子が示されている(下)。

独立行政法人物質・材料研究機構プレスリリース 2012.04.26
http://www.nims.go.jp/news/press/2012/04/p201204260.html

Huge steric effects in surface oxidation of Si(100)
Mitsunori Kurahashi and Yasushi Yamauchi
Phys. Rev. B 85, 161302 (2012)] Published Thu Apr 19, 2012
http://prb.aps.org/abstract/PRB/v85/i16/e161302
2名無しのひみつ:2012/04/28(土) 15:42:09.13 ID:qhhOueeH
なるほど!さっぱりわからんわいorz
3名無しのひみつ:2012/04/28(土) 15:42:59.32 ID:oDnLgIUt
なるほど…。(^^;;
4名無しのひみつ:2012/04/28(土) 15:48:32.80 ID:qv22git7
やはりか、
実は俺も以前から考えていたんだ。
5F14J♀野良猫 ◆F4k5dhGd82 :2012/04/28(土) 16:06:00.75 ID:5HnAsoiL
難しい・・理解出来ない私は、落ちこぼれなのか?
6名無しのひみつ:2012/04/28(土) 16:07:07.16 ID:aFptaXhg
物理学科卒の俺が説明しよう。つまり、あれだ、簡単に言うとだな、、えーそのーまーあれだ
>>1に書いてある通りだ
7名無しのひみつ:2012/04/28(土) 16:12:50.17 ID:cu+JaU19
シリコン酸化が分かってくると、
スカートが噴出に激しくさらされていても長時間耐えられるようになるンだ
8名無しのひみつ:2012/04/28(土) 16:19:31.15 ID:iBli5Uim
発見された現象自体は素人でもわかる話だよ。

表面に酸素分子を当てるときに立った向きで分子を当ててもあまり酸化が
進まないが寝てる向きで分子を当てたらよく進んだという結果だから。

それと、寝てる向きの分子だけ、立ってる向きの分子だけ、というように
ビーム中の分子の向きを自由に制限して発射できる装置を作ったこと
9名無しのひみつ:2012/04/28(土) 16:23:17.64 ID:1qlZIRzt
壁にくっつくおもちゃを投げたとき、
イイ感じの角度で壁に当たったときにペチャってくっつくけど
角で当たったりしたらくっつかずに弾かれる。

それが、シリコンと酸素分子という組み合わせでも起きるってことだね。

さらにシリコンの結晶軸との角度で調べたら、自己組織化膜の制御法として新しい概念になるかも。
10名無しのひみつ:2012/04/28(土) 17:13:56.00 ID:LKLjEkXF
この技術が発展すると分子の向きを制御して
あらかじめの計画通りに酸化させたりできるようになるのかな
狙ったとおりの物質が大量に作れるようになるとしたら
応用範囲が広がりそう
11名無しのひみつ:2012/04/28(土) 21:12:03.80 ID:HYt7YKT7
偏光ってことなの?
12名無しのひみつ:2012/04/28(土) 21:13:20.43 ID:HYt7YKT7
分子レーザーみたいな?
13名無しのひみつ:2012/04/28(土) 21:25:24.60 ID:HGI2j8R8
なるほどな。俺の思ったとおりだった。
14名無しのひみつ:2012/04/29(日) 00:19:44.05 ID:Bgq3vz+a
半導体の進歩に貢献しそうな技術だ
15名無しのひみつ:2012/04/29(日) 06:59:40.17 ID:TFE5M+NO
つまり頭や足から行くのではなく、腹でぶつかっていくということか?
16名無しのひみつ:2012/04/29(日) 07:32:03.58 ID:qN2bt8/P
スピンはケミカルな反応に関係ないんじゃ?
17名無しのひみつ:2012/04/29(日) 07:33:14.82 ID:qN2bt8/P
分析のほうかな?
18名無しのひみつ:2012/04/29(日) 13:26:42.44 ID:9MmJkiap
プレスリリース見ても分子の向きが書いてあるだけでスピンの向きなんて書いてないじゃん。
でも、磁場選別だからスピンの向きしか選別できん。
>>16の通りだろう。
反応に関係するのは分子の向きで、それを選別する手段がスピン。
19名無しのひみつ:2012/04/29(日) 14:02:55.35 ID:rRo72rTr
20名無しのひみつ:2012/04/29(日) 15:12:30.15 ID:1F2dUVXP
うむ…来たか
21名無しのひみつ:2012/04/30(月) 08:00:03.68 ID:eaj8vKrK
つまりあれか

>反応に関係するのは分子の向きで、
軸って書いてあるから文字通り物体としての分子がどの方向を向いてるかって話で

>それを選別する手段がスピン。
ESRみたいなもんをつかって検出するということか

ごめんわかってないわ
22名無しのひみつ
吸着確率が1.6倍って
"ヘリコプター型しか酸化に寄与してない"
って言う程の差じゃないよね?