【食品】カネカ、不凍タンパク質を冷凍麺向けに販売、関西大と共同開発

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26名無しのひみつ
解凍食品、うま味・食感守れ 「不凍たんぱく質」応用進む
http://www.nikkei.com/access/article/g%3D96959996889DE6E2EBE0E2EAE5E2E0EAE2E6E0E2E3E09F88EBE2E2E2
 解凍するとベチャベチャして味がいまいち――。凍らせた食品をめぐるこんな印象を払拭できそうな新素材が登場した。
「不凍たんぱく質」と呼ぶ物質で、植物や南極の魚が凍結から身を守るのに使う。冷凍食品に加えると食材がスカスカ
になるのを防ぎ、解凍後の食味が上がる可能性がある。どんな仕組みなのか。

 小瓶の液体から、ほんのり甘い香りがする。
「この黄色い液体の中にカイワレ大根から抽出した不凍たんぱく質がはいっている」。
カネカのフロンティアバイオ・メディカル研究所の荒井直樹さんが説明してくれた。
「食品会社など20社を超える企業から問い合わせがある」(カネカ)。いま話題のたんぱく質だ。
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 不凍たんぱく質はカイワレ大根やニンジン、麦などのほか、南極にいる魚やカエル、昆虫からも
見つかっている。構造は生物によって異なるが、凍結の抑制が役目の一つのようだ。
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 食品が含む水は零下になると氷の結晶になる。結晶は徐々に成長して大きくなる。食品を構成する
細胞の膜は結晶に押されて傷つく。長期間凍らせた肉を解凍すると赤い汁がしみ出るのは
こうした現象による。
 不凍たんぱく質は氷の成長を妨げる。たんぱく質の構造が、氷結晶と結合する形になっている。
凍り始める0度近辺で氷結晶とくっつく。本来なら氷の結晶や氷分子がつながる部分にたんぱく質が
ふたをしてしまうので、氷の結晶が大きくならない。内部の組織が傷みにくく、変形も少ない。
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 不凍たんぱく質の役割は2つあると考えられている。魚などは氷の結晶が大きくなることを妨げ、
体を壊さないようにして低温でも生き抜いていけるようにしている。
 一方、植物は乾燥に耐えるためにも使う。植物にとって乾燥は低温と同じくらい生存するうえで
脅威となる。不凍たんぱく質は、体内の水分が氷として外に出ないように囲い込む。体内から
水分が失われる状態を防ぐとみている。
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 ユニークなのがアイスクリームに不凍たんぱく質を混ぜた米国の例だ。
…同たんぱく質には別の働きがあった。氷の結晶が育つのを妨げるほか、氷結晶に結合して
安定な状態にすることから、溶け出す温度を引き上げるという特徴もある。・・・
米国では遺伝子組み換え技術を駆使してつくった不凍たんぱく質を使っている。
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不凍たんぱく質、魚や植物・昆虫の体に
http://www.nikkei.com/news/headline/related-article/g%3D96958A9C889DE6E2EBE0E3E2E0E2E0EAE2E6E0E2E3E09F88EBE2E2E2%3Bbm%3D96958A9C889DE6E2EBE0E2EAE5E2E0EAE2E6E0E2E3E09F88EBE2E2E2
 1971年、海外の研究グループが南極に生息するノトセニア科の魚の血液中に不凍たんぱく質が存在する
ことを米科学誌サイエンスに発表した。その後、90年代にカラスムギや冬ライ麦などの植物のほか、
菌類や細菌類からも発見された。現代は昆虫のほかカエルにもあることが知られている。